適切な処置
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2023/12/13
00:42
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その時だった。
彼方にまばゆい白い光が瞬いたと思うと空は全て赤で染まり、一瞬で街は夕闇の光景に変わった。
驚いて顔を見合わせる俺と明子。
そして次の瞬間……
ズズーーーーン!!!!
下から突き上げるような地響き。
よろめく俺と明子。
ベランダ内に響くワイングラスの割れる音。
すると彼方から眩い光の波が猛烈なスピードでどんどん押し寄せてくる。
明子が怯えた表情で俺に何かを言いかけた時はもう遅かった。
あっという間に眩い光は俺と明子を包み込み、俺は体ごと後ろ側に叩きつけられた。
─熱い!痛い!
体中を駆けめぐる強烈な痛み。
その後は……
その後は……
漆黒の暗闇に包まれた。
※※※※※※※※※
カチリ……
ドアの開く音が聞こえた。
誰かが部屋に入ってきたようだ。
コツコツと足音が聞こえる。
誰だろう?一人ではなさそうだ。
俺の左側で、ゴソゴソと何かしている。
しばらくすると、胸の上のあちらこちらに何か冷たいものをあてている。
─この感触……経験があるぞ!
これは、ええっと聴診器だ!そうだ聴診器だ!
「被害者番号はAAM31番 男性、
年齢は推測で25歳から30歳、
身元は発見された位置から、F市A町2-3のマンション グランドハイツFと思われる。
状況は変わらず。
午前8時12分確認」
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本当に文章がお上手で目が離せなくました。
ありがとうございます
─ねこじろう