めっちゃテンション下がった話

利用したことはなくても名前はだれもが知ってるであろう某フリマアプリ。
俺もそのユーザーの1人だ。

初めは読まなくなった漫画なんかを出品してたけど発送手続きがめんどくさいし大した利益にもならないから、今では専ら出品者からの購入のみに利用している。

ある日俺がそのフリマアプリを閲覧してると以前から気になっていたゲームソフト（メモリーカード付）が驚くほどの安い価格で出品されていた。
商品の状態は目立った傷や汚れ無しとあり、
添付された画像をみても確かにその言葉に偽りは無さそうだ。
早い者勝ち、というわけですぐその場で購入した。

出品者のプロフィールを見ると断捨離中で不用品を大量出品している、とある。

匿名配送となっており、その日に発送されて2日後に荷物が届いた。

箱を開けると丁寧過ぎるほどプチプチに梱包されていて、もどかしさを感じながら剥がしていく。

そして手にした現物はアプリの画像通りの、新品と殆ど変わらない綺麗な物だった。
我ながらいい買い物したなぁ〜なんて1人舞い上がっていたら、箱に紙切れの様な物が入っているのに気付く。

フリマアプリの利用者ならご存知だろうが届いた商品に”お取引ありがとうごさいました”等の
手書きの温かいメッセージカードが添付されてることがよくある。

これもそれだろうと手にしたら満面の笑顔でピースサインをしている中学生位の少年が写ってる写真だった。

なんだこりゃ、と箱を確認したら更にもう一枚紙切れがあり、それはちゃんとお礼のメッセージカードだった。

“ご購入ありがとうございました！
このゲームは不慮の事故で他界した息子が特に遊んでいたものです。
楽しんで頂けたらきっと息子も喜ぶと思います。
またご縁がありましたら宜しくお願いします。”

「………。」

ゲームを起動させたらまだセーブデータが残っており、プレイヤー名にはその息子の物らしき名前が入力されている。

波が引く様にサーっとこのゲームを楽しもうと思う気がなくなり、後日友人にタダでゲームを譲った。

例の写真は手元に置きたくないし、かと言って捨てるのはなんか後ろめたいから、パッケージの隙間にこっそり忍ばせておいた。
まあ、バレることはないだろう。

最近その友人と再会し、あのゲームはどうしたか聞いたら全クリしたから中古屋に持ってった、そうだ。