奇々怪々 お知らせ

ヒトコワ

沈丁花さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

用意周到、しつこい奴
長編 2026/09/27 22:45 58view

 今回は我が家が泥棒に入られかけた話を語りたい。それも今年のお盆の直前に、本当にやられたのだ!

 俺の家の裏手には、1mぐらいの深さの側溝がある。その排水溝の横の長さは16〜17mぐらいで、我が家のある団地を半周している。

 数年前から夜中に夜になると、おかしな足音が聞こえるようになった。
 俺の妻や子ども達がスヤスヤ眠っている頃、夜闇の気味の悪さやぬらりとした夜風なんぞ気にせずに、何者かが泥だらけの側溝の中を歩いているのだ。
……ポチョリ、ペチャン……、ベチョッ、ポチャッ……
と。
 その正体は、ハクビシンやイタチやネコである。たとえ動物であっても、夜中に裏庭で怪しい物音を立てられるのはビックリするし、あまり気持ちのいいものじゃない。

 ところが、先日の夜は違っていた。時刻は24時頃だった。

ーーシャリ……シャリッ、ジャリッ………ジャリ……シャリッーー

(なんでこんな時間に足音が?)
 たぶん誰でもそう思うだろう。俺の家の庭には細かい砂利が敷き詰められているのだが、なかなかに大きな足音だ。勘付かれた方も多いと思うが、それは不法侵入者が我が家の庭を歩く音だったのだ!

 それを悟ったとたん、俺の心臓は『ドクンッ!』と急にイヤ〜な動き方をした。今、その不審者はなかなかに逞しい靴音を立てて、俺の家の左手側を歩いている!他方で、俺の脳は熱くたぎった血液で満たされて、『ビリビリ、ビリビリ』と小刻みに不快な警戒アラートを鳴らしていたーー現実だと認めたくないが、たぶん泥棒だ!やがて、その怪しいやつは俺の家の角を右に曲がったらしかった。そのすぐ先には勝手口がある。

 俺の家の勝手口にはコンクリートでできた四角い靴脱ぎ場があるが、それは先述した側溝に面している。側溝のフェンスと裏口の靴脱ぎ場との隙間はわずか30cm程しかない。

 大人がそんな狭い隙間を歩くことはまず不可能だ。とうとうその招かれざる客は、俺の家の靴脱ぎ場にその汚い足を乗せやがった!ガラス戸ごしにそいつの姿がボンヤリと見えたが、なかなかに逞しい体つきをしている。多分、黒い服を着た男だったのだろう。
 さらに、そのイカれポンチはなんと我が家の勝手口の取っ手を握って、おそるおそるドアノブを回そうとした!カチリッと小さな音がしたが、二重にロックをかけていたので開くはずがなない。そしたら、そいつは裏口のドアごしに懐中電灯の光をまじまじと当てやがった!我が家のダイニングの床を少しでも覗き見ようと思ったのだーーなんて太々しいやつだ!

 その時俺はソファに座って本を読んでいた。ソファの下には分厚い漫画本も軽めの本もあるから、万が一の際にはそのならず者に投げつけてやろうと思った。(!人の書いたものを投石器の代わりにするのは良くないよ!)

 灯りがついているから、家主が夜ふかしをしていることがお外の怪しい人物にも分かる。結局、そいつはその日は″確認″だけをして、静かに帰っていった。
 翌朝俺が庭を歩くと、かなり大きめのスニーカーのような足跡があった。あの豪快な足音の主らしく、なかなかにしっかりした足跡だった。俺の妻の靴のサイズは26.0なのだが、そのくらいの大きさだった。

【しかし、その不届き者の不法侵入は一度だけではなかったのだ!】

 その怪しい出来事のおおよそ2週間後、またもや家の左手側の庭に大きな足跡が付いていた。その後も決まって時も23時半頃だったと思うが、俺は確かに聞いたのだ!わが家の門から見て左手側の庭を、ま〜た誰かがでっかい靴音を立てて歩くのを!

ーーまたかよ!いい加減にしろ!ーー

 警戒はしていたが、とうとう俺はもう怒りの沸点に達した。我が家の庭に何度も無断で入られて、嬉しい人なんていやしない。
 俺は次の日に妻と子どもに夜中に怪しいやつがうちの庭を歩いていることを話し、戸締りを以前よりも徹底するようにした。
 また、休みの日にホームセンターや電気屋さんで防犯グッズを見て回った。
 次にあの覗き見やろうが我が家の庭に侵入して来たら、警察を呼んでやるんだ。

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コメント(1)
  • 花蘇芳(沈丁花)です。俺の家に押し入ろうとした悪人が″まだ諦めることを忘れていない奴″で良かったと思いましたが、想像が膨らむままに書いていてはくどくなるので、シンプルに事実だけを書きました。げに恐ろしきは、人の想像かな。

    2026/09/27/23:09

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