治験バイト
投稿者:ねこじろう (147)
中には2錠のカプセル錠剤が入っていた。
全員にビニール袋が行き渡った頃合いを見計らい、演壇の白人男性がまた片言の日本語で
「では、わたしのハイというあいずとともに、おてもとのおくすりをのんでください」
と言う。
それで俺たちが手のひらに錠剤を2つ乗せたまま待っていると、しばらくして「はい!」という男性の掛け声が室内を響き渡る。
俺とFそれから椅子に座る全ての男女が一斉にペットボトルの水を含み、2錠のカプセル錠剤を服用した。
全員が薬を服用したことを確認した男性は「good」と言って親指を立てた後、また満面の笑みを浮かべながら隣の女性と一緒に拍手をしだす。
それからは再び全員アイマスクを着用しスタッフの誘導のもとマイクロバスに乗り込むと、バスは動き出した。
道中、女性スタッフから次のような要請を受ける。
それは本日から毎日2週間の間つまり9月の末くらいまで、夕食の後その日の体調の報告をしてくださいというものだった。
そしてその報告は後程帰り際に手渡すメモに書かれたURLから入ってもらったサイトの専用ページからしてもらいたい。報告が全て終えたことが確認できた時点で指定の口座へ報酬金30万円を振り込みますということだった。
俺たちは早速その日の夜から報告を開始する。
それから2週間が経過したが、体調には何の変化もなかった。
Fも同じだったようだ。
そして9月の末に口座にはきっちり30万円が振り込まれていた。
これでS美に誕生日プレゼントが買えると言ってFは喜んでいた。
そしてその時は俺の懐も潤い、全てがトントン拍子に問題なく進んでいたと思っていた。
だが、、、
※※※※※※※※※※
再び携帯の着信音がしたのはS美の電話の後、耐えられずソファで横になって2時間くらいが経った頃だ。
またS美からだ。
応答ボタンをタッチすると、とたんに彼女の低く押さえ気味の声が聞こえてくる。
「さっき勇二を病院に連れて行こうと準備してたら突然家の呼び鈴が鳴って『緊急事態だ、早く開けろ』って男の人の怖い声がするから慌てて開くと、いきなり白衣姿の男の人たちが数人でドタバタ室内に入ってきて、、、、」
ここで一旦、彼女の声が途切れる。
それで俺が「おい、どうした、どうしたんだ!?」と聞くと、やがてまたボソボソ喋り始めた。
「それで今、私と勇二、無理やり白いワゴン車に乗せられて、どこかに連れて行かれてる」
「なんだそれは?
勇二は、、、勇二は大丈夫なのか?」
俺の問いかけに、しばらくしてS美はまたボソボソ喋り始める。
「顔も、、顔も手足も、、紫になってて倍くらいに膨らんじゃって、身体中赤い発疹に被われてて、、
目とか耳とかからは変な黄色い液が出てきてるし、、
もう本当にすごく苦しそうで、、意味不明な言葉を何回も何回も繰り返してて、、
それでさっき、わたし、、わたし、、鏡で自分の顔見たら同じような赤い発疹がいっぱい出来ててね、、
ねえ、私たち、どこに連れていかれるの?
助けて、助けてよ~」
日本を狙うテロで米国拠点というのが解せませんね
中■や■シアなら、やりそうな感じはしますけど
アメリカを拠点にしたテロ組織がわざわざ日本狙うかな
。:+((*´艸`))+:。