【悲しい灯 事件】-女子高生 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
「あのね、お父さん、悲しまないで。私、天国に行ったら神様に絶対お願いするよ。また、お父さんとお母さんの子に生まれ変わりたいって!」
「陽菜、本当かい?」
「うん・・・だからね、その・・・お父さん、お母さん!もう一度私を産んでください!!」
K氏と妻は顔を見合わせ、一瞬驚く。そして陽菜の方を見る。
「こんなこと言いにくいんだけど・・・もう一度私を産んで、また最初から13年間を一緒にやり直してくれますか?・・・すごく・・・大変だと思うけど・・・」
涙を流しながら首を大きく振るK氏。
「何が大変なものか・・・そんな幸せなことが他にあるか!!二度も陽菜を育てることができるなんて、それが叶うなら私はもう何もいらないよ!!」
母親も涙を流しながら陽菜に言う「私ももう歳だけど頑張ってみるわ。任せておきなさい、陽菜。ちゃんと産んで見せるから!」
「よかったね、陽菜ちゃん・・・」寝落ちしそうになりながら、朽屋が陽菜に声をかけた。
「私たちも毎日神にお祈りします。きっと陽菜ちゃんはまた生まれてきてくれますよ!」
頼子がK氏夫妻を励ます。
「それでは、我々全員で、天国に旅立つ陽菜さんを送って差し上げましょう。今日は終わりの日ではなく、始まりの日なのです。K氏ご家族に幸あらん事を・・・」
ルーカ神父の言葉を最後に、陽菜の身体は光の粒子となり、しばらく夫妻の周りを巡りながら徐々に天に向かって登って行った。
・・・・・・
それから1年を過ぎたころ。まだ生まれて間もない乳児を連れたK氏夫妻が、教会を訪れた。
産まれた娘のバッテージモ(洗礼式)を行うためだ。
その頃ルーカ神父は本国イタリアに帰還しており、別の神父が式を執り行った。
その神父からルーカ神父のところへ報告が送られている。
そこには、「家族は幸せそうな光に包まれている。間違いなく奇跡の子供だ」
・・・と、記されていた。
kamaです。朽屋瑠子第10作目は、VS 悪魔ビブロンス戦です。
今回はボクの作品の中でもとくに悲しく救われない話となっていた「悲しい灯(ともしび)」の解決編ともなっています。そちらも併せて読まれると、世界観が広がると思います。
お盆休みの暇な時間のお供に、ぜひどうぞ。
kamaです。誤字脱字などいくつか修正しております。もし見つけた方はお知らせください。よろしくお願いします。
いい話だ。
ただ、ちょっと長いで( ´∀`)。
いつも楽しく読ませて頂いております
クッチャルコ新作、待ってました!
心温まる話でハッピーエンド、いいストーリーでとても良かったです
次回作も期待してます
↑kamaです。コメントありがとうございます。ちっょと長いですが、これでもがんばって半分の長さにしました。半分って、すごい削除量でしょw
怖くは無かったけれど面白かったです。
怖いというか、詐欺師ってこうやってだましていくのかという別の怖さがあった。
陽菜ちゃんと同い年の中学生くらいの子たちに読んでほしい気がする
↑kamaです。コメントありがとうございます。
楽しんでいただけて何よりです。朽屋瑠子シリーズはボクが一番楽しんでいるので、同じ目線で見てくれている読者様にはとくに感謝いたします。残念ながら今回出番がかなり短いですけど、これも半分に削ったためですね。削る前のオリジナルでは朽屋が赤ちゃん言葉を使うシーンと、仲間にパンツ見られるシーンもありました。(どんどん怪談から遠くなるので削除)
・・・またいつか別の機会に。
一同に会するじゃなくて一堂だと思います
↑kamaです。ありがとうございます。修正させていただきました。本当に助かります。またなにかありましたらご指示よろしくお願いします。