心霊系YouTuberの没動画
投稿者:rark (32)
向井「いや、まず警察沙汰でしょう。コレは……」
その時。
カツンっ……、カツンっ……
何かが、階段を降りてくる。
僕らは、とっさに、黒い液体が入っている水槽の裏に隠れます。
カツンっ……、カツンっ……
カメラはまだ回っている。
そして、
ガガ……ギィィ……
鉄が擦れるような、嫌な音がして、ドアが開きます。
そこから現れたのは、60代後半くらいの白衣を着た男性。片目の目の形が違ったので、おそらく義眼なのでしょう。
その老人はそのまま、さっきの人肉?のようなものが入っていた水槽の隣にある段差を登ると、スポイトでその水槽の中にあった液体を吸い取り、試験管に移し替えます。
木之本「何やってるんだ……」
僕「いや知らないですよ……」
そして、老人は首を傾げたかと思うと、そのまま段差を降り、水槽の隣にあった、赤いボタンを押します。
その途端……
ウウウウウウゥゥゥ!!
さっき上で聞いた、サイレンが鳴り響きます。耳を抑える程の轟音。しかし、老人は、何も聞こえてないかのようにただ水槽を見ているだけ。
そして水槽の中にあるミキサーが回転したかと思った瞬間、
ゴリゴリゴリゴリ!!
と固いものが砕けるような音がして薄緑色だった水槽の中は、一気に赤色に染まっていきます。
原本「おぇぇぇぇ!」
その光景に耐えきれず、原本さんがその場で嘔吐してしまいます。
僕自身も、恐怖で麻痺していた吐き気が、今になって込み上げてきます。
しかし、今の原本さんの嗚咽に気づいたのか、老人は鬼の形相でこちらを睨みます。が、僕らを見た瞬間、それは気味の悪い笑みに変わりました。
木之本「おい、バカ!気づかれた!」
老人は、右手に赤い液体の入った注射器を持って、ゆっくりと近づいてきます。
1歩……また1歩と。しかし、原本さんの嗚咽はまだ続いているので、僕らだけ逃げる訳には行かない。
僕「原本さん!早く!原本さん!」
そして、老人が僕らに襲いかかろうとした時、
「ガンッ!!」
ドキドキ、ハラハラ面白かったです。