あたり
投稿者:こく (1)
「D、マジかっけー」×4
そんな調子で夜は更けていった。
それぞれの話が数巡もした頃だろうか、
そろそろ眠くなって来たし、最後に一巡して帰ろうという事に。
最後の一巡、みんな取って置きの話を残していたのか、かなり怖い話が続いた。
ただ、何か居そうな所の指さしは被ることなく進み、最後にDの番になった。
D
「怪談というか、人間の怖い話やねんけど。」
Tくん
「ちょっと待って、最後やし録音しとく。なんか録れるかも知れんし」
D
「ええか?始めんで。俺のおじさん、テレビ関係の仕事してんねん。」
「んで、あるロケで霊能者呼んで行方不明者を探すっていうのがあって・・・」
暫く前、あるTVの心霊番組で、番組で呼んだ霊能者が視聴者を訪問して依頼に応えるというロケを行った。
依頼主は30そこそこの主婦で、依頼の内容は神隠しにあった幼い娘を探して欲しいというものだった。
主婦の案内で、先ずは2階にある娘の部屋を霊能者とプロデューサーで覗く。
所狭しと並んだぬいぐるみからは主を失った悲哀が滲んでいた。
次に台所、そして和室。
霊能者が足を止めた部屋で依頼人にに簡単な質問をいくつか投げかける。
子どもを失くした痛みは癒える事が無いのか、
大げさに見えるほど悲痛な表情で涙ながらに質問に答える依頼者。
指して大きくもない一軒家なので、30分ほどで一通り見終わる。
じゃあ続いてインタビューの撮影に移ろうかというタイミングで、
霊能者が小さな声でプロデューサーに声をかけた。
「居ますね」
「娘は畳の下にいる」だよね。
↑なるほど
廃屋が現場だったってことか。
Dの「何でみんな知ってんねん!」ってどう言う事だろう?
実はDはおじさんから「娘がどこにいたのか」まで聞いていたけど、そこまで話すとそういうことなら~ってわざと全員畳を指さすって考えたからそこまでしゃべらなかった…ってことなんですかね。
で、しゃべらなかったから娘がどこにいたのかなんて知るはずもないのにのになぜか全員畳の下を指さしたから「何でみんな(娘がどこいたか)知ってんねん!」って言ったのかなと。
なるほど!
それでDはこの廃屋がまさにその話の現場だったって気付いて逃げ出したってことかな?