ピエロの言葉にサトルは呆気にとられていた。
「さあさあ、どんどん行きましょう!」
再び威勢の良い行進曲が流れだし、サトルの視界にはまた白い文字が浮かぶ。
『西暦2023年4月3日
午後5時31分
都内某進学校に通う女子高生、亜由美17歳の場合』
続いてピエロのナレーション。
「都内屈指の進学校D学園に通う17歳の女子高生亜由美ちゃんは、クラスの全員から無視されたり、いろいろな嫌がらせを受けてました。
ああ、イジメですねえ、いけませんねえ。ボク、許せな~い!
ある日の放課後、彼女は校舎の屋上に上がりました。
ああ、怖い!恐すぎる!どうするの!?
さあ果たして彼女の運命は?……」
再びサトルの頭部に強力な電流が通ったような、強烈な痛みが走る。
「う、うわあああ!……」
また彼の目の前は真っ白になった。
……
目覚めたとき、サトルは顔に強くて冷たい風を感じていた。
目の前には街の景色がはるか遠くまで広がっている。
地平線の辺りには霞のかかった小高い山が連なっていた。
―どこだ、ここは?
ビルの屋上か?
またもや彼の意思とは関係なく、顔が下を向く。
視界には紺のハイソックスに革靴の足元が見え隠れし、その遥か向こうには微かにコンクリートの通路、駐輪場の屋根、植え込み、そして広々としたグラウンドが見えている。
―どこかの学校の校舎の屋上か?
おい、何で俺はそんなところに立っているんだ?
自らの状況が分かった彼を、とてつもない恐怖が襲う。
革靴の足がジリジリと少しづつ、前に動きだしたのだ。
―おい、ちょっと待て!
それ以上いくな!
落ちるじゃないか!

























嫌な事ばかり続くと、やっぱりへこむ。
怖い
死を体験できる映画館みたい。
使い方によっては自殺防止の教材になりそう