山の守り人
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
長編
2023/05/06
02:26
13,756view
もうすぐ夜が明ける頃で、空は白くなりかけていて今まで見えなかった物が見えるようになっていた。
俺は周りをみわたすと、何本かの木の根元には、それぞれ脱いだ服や荷物が置いてあった。
その中には「あの男」の服と丸い眼鏡があった。
どの服や荷物もかなり汚れていて、木の上の方の枝には「いかにも」といったリング状のロープが垂れ下がっていた。
その数は4本…、いや5本以上はあっただろうか。
「見てわかっただろう?俺たちが仕留めた連中の首をロープの輪に通して木に吊り下げたら、立派な『自殺の名所』の出来上がりってわけだ。」
「…そこまでして守らないといけないんですか…!?」
俺がそう聞くと、猟師Aが
「いちいちうるさいんだよ!」
と言った後、すっかり明るくなった山の中で2発の銃声が鳴り響いた。
前のページ
5/5
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 26票
ご冥福をお祈りします。