「ボクの死神は百発百中さ。だから今まで苦労してきたんだ。悪魔だってヤレルよ。さぁ、出してみてよ、その悪魔をさ」
「う、うん・・・わかった・・・。」
澪は四つ葉のクローバーを念頭に置き、悪魔が現れるよう祈りをささげた。
やがて澪の前に小さな光の円が現れ、そこに小さな四つ葉のクローバーが現れた。
「こいつが悪魔なの?こんなちっこいのが?」数馬はあきれながら悪魔を小ばかにした。
「お嬢ちゃん・・・結局こんなことになったんだね・・・。」
なんだか少し寂しげに語る悪魔。
「ごめんなさい、クローバーの悪魔さん。行きがかり上しかたなく・・・」
「言っただろ、悪魔と死神が戦うようなことになれば、術者を殺しあうことになるって」
「えっ・・・」戸惑う澪。そういえばそんなことを言われた気がする。
「何をつべこべ言ってるんだ。お別れだよ、さようなら、クローバーの悪魔!!」
だが、何も起こらない。
いや、よく聞くと神永 澪のまわりの空間から、風切り音のような音がヒュンヒュンといくつも聞こえる。
「数馬クンだっけ・・・」クローバーの悪魔が語りだした。
「この死神を止める方法は知ってるのかい?」
「なんだよ、そんなものは知らないよ。さようならと言えば必ず実行する。それがボクの死神のスタイルみたいだよ」
「そうなんだ・・・今、風切り音がしてるの、聞こえてるかい? これはキミの死神が悪魔であるボク自身を殺すことができない代わりに、ボクの宿主である神永 澪を殺そうと巨大な鎌、デスサイズを澪に何度も振り下ろしてる音なんだ。全部ボクが防御してるけどね」
「なんだって!?どうして澪ちゃんを殺そうとするんだ!?」
「死神を止められないなら仕方ない。ボクの宿主を助けるためだ、死んでくれ数馬クン」
今度は数馬の周りで風切り音がしだす。姿はなにも見えないが、悪魔の攻撃から主を守るため、今度は死神が守りに入っているらしい。
二人の間で風切り音だけが激しくなっていく。
「ど、どうしよう・・・」涙ぐむ澪。
「くっそ、止まれ、止まってくれ!!」
「止まらないさ。どちらかが止まれば、どちらかが確実に死ぬからね」
クローバーがすました声で言う。
激しい風切り音が、どんどん二人に近づいて行く。
もうダメか・・・そう思った時、鋭い金属音と共に火花が飛び、風切り音が止んだ。
ゆっくり目を開けると、そこには、金属のようなもので出来た鬼のような、翼を持った悪魔のようなものが二体おり、剣を振りかざして澪と数馬を守っていた。

























kamaです。
朽屋瑠子シリーズも今作で6作目です。過去作品も読まれますと世界観が広がってより楽しめると思います。
また、今回のお話は以前投稿いたしました「四つ葉のクローバー」と「さようなら」そして「さようなら~その後~」というお話の解決編ともいえる内容となっていますので、合わせて読まれると楽しさも倍増かと思います。よろしくお願いします。
kamaです。
これはあくまでも個人的になのですが、今回これを書くときに・・・
朽屋瑠子=アンジュ・カトリーナ
貴澄頼子=リゼ・ヘルエスタ
神永澪=山黒音玄
四つ葉のクローバーの悪魔=ピーナッツくん
の声を当てながら書いていました。みなさんなら、どんな声をあてますか?
思わぬ展開で数馬君に憑いていた死神が違っていたなんて@_@このシリーズが実写版になったら観たい!瑠子シリーズのファンです。
↑kamaです。さっそくありがとうございます。13ページもある長編読んでくれてありがたいです。
そうですね~実写化とかあったらおもしろそうですね。漫画化やアニメでもいいですね。
どなたか奇特な同人作家の方がいたら、いかがですか?
kamaです。いくつかの誤字脱字、てにおはの修正をして、少し読みやすくいたしました。
よろしくお願いします。
Kama先生、久しぶりの新作ありがとうございます。以前から思っていたのですが本当はプロの作家でしょうか?
↑kamaです。楽しんでいただいてありがとうございます。ボクの素性は内緒にしておきます。読者の夢を壊さないのが作家たるもの・・・(てことは身バレしたら夢を壊す人なんだな)辞めておこう。
kamaです。
実はこの裏で暗躍している組織について「名前はないの?」という質問をいただいています。
ここでは封魔部隊といったり、単に組織といったり、あるいは朽屋が「お掃除部隊」と呼ぶこともありますが、設定上は名前はあります。
ただ、この組織は平安時代から陰陽師の集まりで構成された部隊であり、禁裏を魔物から守るのが主任務ということで、名前を名乗るといろいろ各方面に問題がありそうなので、物語上、名乗るのを自重しております。
「イギリス・チャーチル国王の載冠式に黒ずくめの死神が映る」
なんてニュースが流れてきました。
・・・まさかねぇ・・・。