仔猫 (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
それはお婆さんの方からします。
私は思わず懐中電灯をお婆さんに向けていました。
背中を向けていたお婆さんがそれに気づき、こちらをくるりと振り返ると・・・。
「きゃあ!!」 私はあまりの事に叫んでいました。
こっちを向いたおばあさんの目は、まるで猫のように一瞬キラリとひかり、
その口からは仔猫の首から下が垂れ下がっていました。
口の周りには血のようなものがベットリついています。
おばあさんはこちらを向いたまま、微動だにせず、
咥えた仔猫をズルズルと飲み込んでいきました。
そして一匹を食べ終わると袖で口を拭い、バっとジャンプするかのようにして
ススキの茂みの中に消えていきました。
ザザザっという走る音だけが聞こえます。
私は体が固まって動けなくなっていましたが、しばらくして静寂が戻って来たので
仔猫たちが心配になりダンボールに駆け寄りました。
そこには、血の付いた骨や毛皮等の断片があるだけ。
それを見て震えあがっていると、ススキの茂みからガサっと音がしました。
驚いて懐中電灯を向けるとそこには大きな猫の目のような光が!
私は「きゃー!」と叫びながら猛ダッシュでその場から逃げました。
泣き叫んで家に帰った私を見て、父がいぶかしげな表情をしながら
「パトロールに行ってくる」といって私から懐中電灯をもぎ取り、外へ出ていきました。
しばらくして帰って来た父に様子を聞くと、何もいなかったし、
そもそもそんなダンボールもなかったと言いました。
あれは私の見た幻だったのでしょうか。
それ以来、私は草むらが怖くなり、仔猫を見るのも恐ろしくなってしまいました。
猫が大好きなのに、この一件でトラウマになってしまいました。
怖いですね、、、私も捨てられた仔猫を見つけて、新しい飼い主を探した事があるので、猫〜助かってろ〜って祈ってしまいました笑
↑kamaです。コメントありがとうございます。昔はよく捨て猫を拾っては飼っていました。今はペット禁止の所に住んでますが、夢はやっぱり猫と暮らすことです。