目を覚ます涼。一瞬にして現実に引き戻され、より子の姿は見えなくなった。
席を立ち帰り支度をする涼に、より子はキスをしてお別れした。
(大事にするね、ローズクウォーツ。早く元気になってね)
涼を見送るより子。
「・・・・・・」
「へぇ~あの子のことが好きなのか~より子ちゃん~」
「あっ、わっ!ルコちゃん!見てたの~(/ω\)」
「見てました」
「もう、いつから見てたの~」
「リョウクン、来てくれてありがとう。会いたかったワ、LOVEってとこから」
「うわぁぁぁほとんど最初っからだぁぁぁ(*´Д`)」
「リョウクンから何かもらってたね。何もらったの?」
「これ、ローズクウォーツだって」
「うわぁ~キレイだね。かわいい!」
「でしょでしょ?」
「え~ワタシにも1個ちょうだい!」
「ダメです!1個しかないんです!」
朽屋瑠子が来るといつもハチャメチャになる。
でも、より子にとっては生きていた時にも味わったことのない
とてもハッピーな時間を過ごせる友達になっていた。
・・・・・・
それからしばらくして、涼はみるみる回復し、
リハビリのために買ってもらった自転車で教会まで来てくれることが増えだした。
しばしの間、より子と涼はまるで小さな恋人同士かのようにして過ごした。
だが、涼は少し気がかりがあった。
この教会の敷地は、女子高の中等科と高等科に繋がっていて、
よく見るとこの教会の周りにいる男子は自分だけのような気がした。
少し恥ずかしい。そんなお年頃である。
だから、より子ちゃんに教会の敷地の外に出て遊ぼうと誘ってみた。
戦争の悲惨な記憶と日本軍から隠れて暮らした生活の意識が根底にあるからなのか、
より子は教会からあまり出たいとは思わなかった。
だが、涼が言うのだから・・・一緒なら怖くないかもしれない・・・
そう思いなおして、教会から外に出てみようと決心した。
























kamaです。先ほど投稿させていただいた「より子ちゃん」の裏で起きていた一大事件を書かせていただきました。まず先に「より子ちゃん」を読まれてからこちらを読むと、面白さも倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で4作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズも読まれると世界観が広がると思います。
あと、今回27ページもの大長編となってしまいました。頑張って読んでくれた方、ありがとうございます。・・・これだと誰も怪談朗読してくれないだろうから、そのうち自分でやろうかな・・・と思ってます。
まるで吸い込まれるような感じで、最後まで拝読させて戴きました。続きを早く読みたいです。
↑kamaです。27ページもあるのに読んでいただき感謝です。
朽屋瑠子シリーズは今後、短編をいくつか出しつつ、たまに長編みたいな、そんな感じで出して行こうと思ってます。
kamaです。
涼君が押し入れの鉱石採集セットを見つけてより子ちゃんに再開するシーンに、
『ローズクウォーツが抜け落ちた鉱石採集セットのように、
涼の心にもぽっかりと隙間が空いているようだった。』
という一文を追加させてもらいました。
・・・詩的でしょ?
まさに、涼君の鉱石セットのくだりがホロリと来ました。短編物も拝読させて戴きましたが、瑠子シリーズはスリルがあっていつまでも読みたくなります。
↑kamaです。ありがとうございます。どこかホロリとくるシーンがあるのって、いいですよね。怪談は怖い話ばかりじゃないと思いますし。
奇々怪々に「怖いボタン」以外も欲しいです~。
また楽しみにしていてくださいね。
ボクはより子ちゃんが泥だらけになっても涼君を追いかけるとこでホロリと来ました。
より子ちゃん単独の話だけ見ていると、子供の誕生日になぜ教会から出られないより子ちゃんが家まで来たのかわからなかったけど、これでつながりました。
↑kamaです。ありがとうございます。朽屋瑠子シリーズは、ボクの作品の裏で起きてる解決編みたいな構成で、オムニバス的に楽しめるようにしてます。これからもよろしくお願いします。
今まで投稿話の中で27ページという最長の話を投稿されたkama先生お疲れ様です。ところで今回の話も場合によっては改稿などで短くなるでしょうか?
↑kamaです。ありがとうございます。改稿の可能性は無いとは言えませんが、今のところは「やり切った感」が強いので、あったとしてもたぶん1年後とか、あるいは改稿しないか・・・という感じです。そうですね・・・やるとしたら戦争の歴史を説明している部分をもう少しはしょるとか・・・ですかね。でもあの部分もより子ちゃん親子がいかにして生涯を閉じたかの部分なのでバックボーンとしては残しておきたい気もしますし。まぁとりあえず今は次の作品を出すことの方を優先したいと思ってます。ありがとうございます。
色々な方の長編作品を読んでいた際にkana様のクッチャルコシリーズを見つけ、初投稿から読ませていただいているのですがこの話で先に読んでいた作品と繋がってとてもテンション上がりました…!!
本当に楽しく読ませていただいてます!!ファンです!!!