私って見えないはずよね
投稿者:月子 (9)
という声をちらほら溢す大人たちの真ん中で、
私はもう1度、体の底から冷える感覚を味わっていました。
似ているのです、展示されている被害者の服と、ついさっき見たあの人の服。
煤けて薄黒くなっているところも、井桁の模様も。
全く同じものだったわけじゃありませんよ。
でもそれらが同年代の人間が着ていた服だとは分かりました。
学校で勉強したときにはあまり当時の服装のことには触れていなかったし、
人間が倒れている、ということにパニックになっていたものですから、
あの人を見てすぐに気づかなかったのだと思います。
もう感情が溢れかえった脳がショートしてしまっていた私は、
あの人、やっぱり生きてる人じゃなかった…
と固まっていました。
バスまで戻る間にまたその土手の横を通りましたが、今度は誰もいませんでした。
でも私は繋いでいた祖母の手を離して、その場で手を合わせて祈りました。
祖母は何も言わずに、同じように手を合わせてくれました。
その後の旅行はというと、なんの変哲もないただの楽しい旅行となりました。
本当に楽しかったのですが、どうしても私はあの時のことが忘れられません。
そりゃそうだろうとお思いになられましたよね?
心霊体験をした旅行を簡単に忘れられるかよ、と。
そうなんですよ、心霊体験をしたんです、
霊感なんて全くなくて、
生まれてからただの1度だってそういった類のものを見たことも、
感じたことすらもないこの私が。
私の母と祖母は霊感がある人でしたが、
私は全く、文字通りの零感だったはずなのに。
まぁそれ以降、高校生になった今に至るまで、
何事もなかったように零感生活をすごしているのですが。
あの時は、たまたま波長があったんですかねぇ…
何はともあれ、あの人や、他の被害者の方々の
冥福を祈るばかりです。
慎んでご冥福をお祈りします。そして二度とあの様な惨事が起こりませぬ様祈るばかりです。
えぇそうですね、2度と核の脅威に怯えなくても良い世界になる事を祈らなくては…
ご冥福お祈りします
私も今度行ったらちゃんともっと良い世界になるように祈ります