会社にかかってくる無言電話
投稿者:ぴ (414)
すぐに隣の席の職員とアイコンタクトして、電話を替わってもらいました。
ですが私とは違って電話を替わった職員は相手とスムーズに会話していたのです。
そして電話を終えた後に私に「さっきの人、会社の取引先の人だったわよ」と怒られてしまいました。
その人がいうには、出たら向こうの人が普通に挨拶してくれて、そして次会うときのアポを取ったそうです。
私はそんな馬鹿なと思ったし、電話を替わってくれた職場の人には「気を付けてね」とやんわり怒られてしまいました。
私が電話を取ったときは無言だったのに、その後しゃべりだすことなんてあるだろうかと頭を抱えました。
なんだか納得できなかったけど、自分の勘違いに落ち込みました。
そのようなこともあり、すごくストレスが溜まっていたのです。
あるとき、いつものように電話で助けを求められて、私は思わずきつい口調で「もう辞めてください」と言ってしまいました。
そしたらしばらくの無音の後に、電話口で「私を見捨てるの?」て聞かれたのです。
それはそれは今まで聞いたことがない呪いでもかけられそうな低い怖い声でした。
そのまま言葉に詰まった私が何かを答える前に、ツーツーと電話が切れました。
これがきっかけで、私は新しい会社でもノイローゼぎみになりました。
会社に電話がかかってくる度、びくっとして電話を取れなくなったのです。
この職場で何かされたわけでもないですが、多分前の会社でパワハラを受けたときの傷も原因で、職場の人が怖くなっていました。
このまま仕事で使えなくなったら、また前の会社みたいにパワハラまがいの苛めを受けるのではないかとか、いろんな悩みが噴出してきました。
そして怖くなったのです。
このままではまた同じ間違いを犯すと追い詰められて、気づいたら自分から辞表を出していました。
精神的な病気なんでしょうね。
人間関係が悪くなる前に辞めようと思ってしまいました。
そしたら上司にはびっくりされて引き止められたのです。
そのときに上司から「もう電話に出なくていいから」と言われました。
そして別の事務仕事を専門に頼まれたのです。
私はあの電話に出なくていいと思うと、とても気が楽になりました。
だけどその日、運悪く人が出払っていて、一緒に働いていた職場の人が運悪く別の電話に出ていたのです。
私しかその電話に出ることができなくて、目で合図された私は電話を取ることになりました。
そして電話に出るとやはりあの無言電話なのです。
私はぞくっと震えました。
ただ今回の電話はいつもと違ったのです。
その電話はしばらく無言が続くと震えた声で、「秋月です。」と確かに名乗りました。
私を見捨てるの…って言われたら何とも言えない恐怖…