夢枕に立つ祖父
投稿者:ぴ (414)
短編
2023/01/22
18:59
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私が大好きだった祖父が亡くなってから1年後に、私は不思議な体験をしました。
祖父が私の夢枕に立ったのです。
祖父はずっと下を向いて何かを探していました。
あまりに一生懸命なので、私は「何探しているの?」と聞きました。
そしたら祖父が「倉庫の机の3番目」と言ったのです。
私は何のことだかよく分からないけれど、その言葉が耳にこびり付いて、夢から覚めても離れませんでした。
翌日何となくその話がしたくて、祖母の家にいきました。
そしたら祖母が今日見た祖父と同じように、ガサガサと家の中で何かを探していたのです。
「何か探してるの?」と聞きました。そう聞きながら、そういえば祖父にも同じような質問をしたなと思い出しました。
祖母が探していたのは、祖父の帳面でした。
なんでも、几帳面だった祖父は、仕事で重要なことなどを日記帳のような帳面に記してあったらしいです。
一緒に探していて、その途中で、ふともしかして…と思いました。
そして駐車場に連なった倉庫のカギを貸してもらい、そこの机の3番目を開けてみたのです。
そこから数冊の帳面を発見したときは、体中がぞわっとしました。
そしてそれを持って祖母に夢枕の話をしたら、「おじいちゃんが探してくれたんかねぇ」と祖母はなんだか嬉しそうでした。
私はそれまで倉庫にあのような机があることも知らなかったし、帳面の存在も知りませんでした。
だから本当に祖父はそれを教えるために私の夢枕に立ったのではないかと思っています。
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