テレポート

俺はリコーダーが得意で、鍵盤ハーモニカが死ぬほど苦手だった。
体格が小さくて手も小さいし不器用だったから、うまく弾けなかったんだ。

で、とある女の子とリコーダーをどっちがやるかで揉めた。

リコーダー枠は7人で、じゃんけんで決めてたんだが、
残り1枠になってその子と俺が一騎打ちになったところで先生がそれを止めた。

先生「PTA会長の〇〇さん（その子の父親）が、リコーダーは女の子が向いてるって言ってたし、▽▽ちゃんがリコーダーが良いと思う」

PTAからの圧力を恐れ当時の先生が無理やり決めたんだ。
じゃんけんで決めるって決めたじゃん！ってかなり激しく抵抗したけど、

泣く泣く俺は鍵盤ハーモニカになった。

俺は悔しくて、鍵盤ハーモニカなんて絶対やらん！って意固地になってた。
音楽の授業も鍵盤ハーモニカを持ってこずにリコーダーを持参し、
無理やりリコーダーの練習に参加してた。

そして練習開始から1週間、学校に母親を呼ばれた。

先生「俺君が鍵盤ハーモニカの役割になったのに意地を張って
　　　リコーダーの練習ばかりしているんです。
　　　このままだとみんな好きな楽器を演奏できると思ってしまいますので、

　　　できればお母さまからも言い聞かせてほしいんです。」

母「じゃんけんもさせてくれずに無理やり先生が決めたと聞きましたが
　　そこらへん事実確認できますかね？？」

先生「俺君はじゃんけんを締め切ったあとにやっぱりリコーダーがやりたいと
　　　参加しようとしたので、一足遅かったんですよね～（苦笑」

俺「いや、先生がPTAが決めたってじゃんけんさせてくれなかった！」

うんぬんかんぬん

母も俺も抵抗したけど、結局もう決まっちゃってるからと、
鍵盤ハーモニカを練習することになってしまった。

母にごめんねと泣きながら謝られたけど、致し方ない。