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kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

【クモ男事件】-事件記者 朽屋瑠子-
長編 2023/01/01 02:54 15,696view
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「フフフ、ルキフェルの弾丸か。愉快だ。小娘よ、死んだらワシの配下にどうだ?ハハハ」
そう言って消えていくベールゼブブ。

車内を覆っていた固有結界が解除される。と同時に新幹線の停電も収まった。ざわめく乗客たちの声と顔が見える。どうやら新幹線も動き出すようだ。

朽屋はやや足取りがフラついたが、拳銃をすぐに脇のホルスターに納め、座席に着いた。
「今回はヤバかった。ヤツを逃がしたんじゃない。こっちが見逃してもらったんだ・・・」
朽屋瑠子はやるせない思いでいた。

ベールゼブブは今も世界に病気を蔓延させ、何百万人もの命を奪っている。
こんな小娘にかまっているヒマもないのだろう。

朽屋は眠気に襲われていた。霊力をもった弾丸を撃った後は決まって眠気が襲ってくる。
朽屋にとっては最大の弱点でもある。3発撃ち終わればもう反撃する力もなくなってしまう。
今回は2発しか撃っていないのでまだ意識はあるが、運が悪ければ命はない。

朽屋は前の車両にいるカップルの女性の方にLINEした。
「お腹の子、お大事に。ジェットコースターはダメよ・・・っと」

すぐに返事が来た。
[えぇ~~朽屋さん、なんで知ってるのぉぉ!?記者の勘??まだ彼にも言ってないのに」

朽屋は「オンナの勘」と送って、こっくりと居眠りをした。

・・・・・・

「え~~何々?新幹線に現れた不気味なクモ男は、実はUFOを呼ぶ宇宙人の仮の姿??」

「はいデスク、どうですか?おもしろそうなネタでしょ?」

「おまえな~~あとこれなんだよ、テーマパークの招待券って」

「今回の取材のために使いました!経費としてお願いします!」

「そんなもん認められるかーーー!!」

「ええーーーー!ダメ? わーーーーん、デスクのイケズーーーー!!」

泣きながら走り去っていく朽屋。それを原稿を握りつぶしながら見送るデスク。

「オイ待てコラ、話は終わってないぞ!!・・・くっそ~・・・クッチャルコめ~~!!」

【←to be continued】

8/8
コメント(3)
  • 新年あけましておめでとうございます。kamaです。
    こちらの作品を読む前に、前日譚として私の作品、
    「恐怖! 地獄極楽夜行バス」を御一読されると、より作品が楽しめるかと思います。
    また前作「事件記者 朽屋瑠子」も併せてお読みいただくと、より世界観が広がって楽しめるかと思います。よろしくお願いします。

    2023/01/01/03:11
  • 元日早々に第二段投稿するとは早い。

    2023/01/01/11:34
  • クッチャルコ〜〜〜

    2025/02/05/11:24

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