事件記者 朽屋瑠子
投稿者:kana (210)
「いいえ、正面突破ですよ~」
その頃、三頭教会の中では大変なことが起きていた。
教会の教祖に話し合いをしようとやってきた斉門和尚は捕らえられ、
大きな柱にグルグルと縄で縛られ磔にされていた。
そのまわりを白い服を着た大勢の信徒たちがグルリと取り囲んでいる。
教祖と呼ばれる太って重力に逆らえなくなった男が口を開く。
「坊さん、あんたいい度胸だね。でも無謀ともいうね。
これまで多くの徳を積んできたんでしょうから、我々の守護神への
イイお供え物になってもらうよ。
・・・よし、扉を開け!守護神様、お出まし召されいーーーー!」
「おおーーーーーー」
大勢の信徒たちの無気力にも聞こえる叫びが轟き、
やがて講堂の中央の大きな扉がゆっくりと開かれた。
その暗がりの中から、真っ黒な、それでいて紫色に光る毛並みの
巨大な獣がゆっくりと頭をもたげて現れた。
体高は優に2メートルを超えるその獣は、異様なことに狼によく似た顔つきの頭が
3つあり、俗に言う「地獄の番犬・ケルベロス」の姿をしていた。
教祖はケルベロスにゆっくり歩み寄り、顔を撫でようとした。
「おぉ私の守護神よ、なんと美しいお姿だ・・・」
ケルベロスの左の頭が、教祖の顔をペロリと舐めた。
「ふふっ、くすぐったい・・・」教祖がそう言った次の瞬間、
ケルベロスの左は、バクっと教祖の頭を食いちぎった。
首から噴水のように血しぶきを吹き出しながら倒れる教祖。
その様子を非現実的な見世物でも見ているかのようにぼーっとした表情で見る信徒たち。
ケルベロスの左はまだ残った教祖の体も食べたがっていたが、
中央と右が一歩前進をはじめてしまったのであきらめることにした。
やがて歩をすすめ、信徒たちのいるゾーンに入ると、
まるでトウモロコシ畑に入った熊が次から次とトウモロコシを齧って行くように、
次々と信徒たちの頭を食いちぎっていった。
一瞬の間に血の海と化す講堂内。やがて信徒たちも事の重大さに気が付きだし、
我先にと出口へ向かって殺到した。
kamaです。
こちらのお話を読む前に、私の投稿した「狩り宿の男」と「狩りの真実」をお読みになられると、前日譚としてより作品が楽しく読めると思います。
よろしくお願いします。
kamaです。
主人公の朽屋瑠子の声は、にじさんじのVtuber、レイン・パターソンさんの声をイメージしながら書きました。
前日譚とどちらも読ませていただきました!
とても読んでいて夢中になれる文章で素敵でした…..!
描写が細かくて、情景がわかりやすく脳裏に浮かんできて読みやすかったです!
続きも楽しみにしてます、!
↑kamaです。たくさん読んでいただいてありがとうございます。感謝!!
次回の予定は来年ですか?
↑kamaです。
次回作は来年になりそうですね。
他にも投稿しておきたい作品がたくさんありますので、次回のクッチャルコはお正月休みにじっくり書きたいと思います。
そう言えば確か以前に猪にまつわる話を投稿されましたが「殺生石」の周りで猪の死骸が発見したみたいだな。
↑なんだか意味深ですね。
おちゃらけて始まったから笑える話かなと思ったら
途中「スゴイ!お姉ちゃんもスゴイ!人間ってスゴイんだね!人間大好き!!」って子犬のセリフで
(´;ω;`)ブワッ ってなった。
↑kamaです。ありがとうございます。犬好きな人にはかわいそうなシーンもあり、申し訳ないです。
kamaです。
19ページ目にあった
「実は朽屋が寝てしまったあとにリーダーがあれこれいじりまわして遊んでいたらしい。」
という文章は、リーダーが朽屋の体をいじってるようにも読めてセンシティブでしたので、
「実は朽屋が眠っている間にリーダーがこのライフルをいじりまわして遊んでいたらしい。」
に変更させていただきました。
投稿後にも変更できるのが奇々怪々さんのいいところですね。
一昔前のSSをみたいで読みやすくて面白いです。クッチャルコはそのうち「キミたち〜!」とか言い始めるんですか?w
↑kamaです。どこかでいれますかw
獣医の犬の話しとか犬系多いですね
犬飼ってるんですか?
↑kamaです。
今は飼ってませんが犬も猫も鳥もハムスターも飼ってたことがあります。