「知ってます。どうぞ続けてください」
「結果から言うと、もうこの山にはいないと思う。怪しげな動きもないし、
食害もないし、目新しい糞も見なかった」
「その化け物、どこからきて、どこへ行ったんでしょうね・・・?」
「そりゃーこっちが聞きたいわ。ていうか、この世界にそんな化け物がいるってのかい?」
「嘘みたいな話ですけど、ノテさんが殺されたのは事実です」
「・・・ノテだって素人じゃねぇ。一応猟師やってたんだ。
それが簡単にやられてたまるかってんだよ、しかもここでだ!」
朽屋はしばらく考え込んで、ようやく口を開いた。
「私の推理が正しければ・・・・」
「おぅ、なんだ?言ってみぃ」
「その前に、ちょっと一緒に裏手に行ってみませんか?」
「裏手っていうと猟犬の訓練場だな」
「はい」
二人はLEDの照明とランタンをもち、裏手の訓練用フィールドへ向かった。
さっき布に包まれた仔犬がいたあの場所だ。
仔犬を拾ったせいで隅々までまだ見ていなかった。
裏手の訓練場はそれなりに広く、犬が走り回れるほどの広さはあるようだ。
そこに檻やら、杭やらいろいろなものが雑多に置いてある。
大き目の檻を指さして説明するリーダー。
「ほら、そこにデカイ檻があるだろ?そこに捕まえたイノシシとかぶち込んで、
犬を目の前に連れてくるんだよ。暴れるイノシシを見てビビってるようじゃあ
猟犬の素質はねぇし、逆に激しくイノシシに食いついていくやつもいるけど、
あんまり激しいのも、実戦では逆襲を受けてケガしたりすることもあるから、
気性が荒いのもマイナスなんだよ」
「なんか、随分血なまぐさいですね」
朽屋の感想はその闘争心を掻き立てる訓練方法についてではなく、
本当にその檻の周辺から血の匂いが漂ってきたからだ。
「あぁ、中に入れたイノシシは最後〆るんだけど、ノテは電気じゃなく
手製の槍で心臓を一突きしてたから・・・まぁそれにしてもちょっと多い気もするな」

























kamaです。
こちらのお話を読む前に、私の投稿した「狩り宿の男」と「狩りの真実」をお読みになられると、前日譚としてより作品が楽しく読めると思います。
よろしくお願いします。
kamaです。
主人公の朽屋瑠子の声は、にじさんじのVtuber、レイン・パターソンさんの声をイメージしながら書きました。
前日譚とどちらも読ませていただきました!
とても読んでいて夢中になれる文章で素敵でした…..!
描写が細かくて、情景がわかりやすく脳裏に浮かんできて読みやすかったです!
続きも楽しみにしてます、!
↑kamaです。たくさん読んでいただいてありがとうございます。感謝!!
次回の予定は来年ですか?
↑kamaです。
次回作は来年になりそうですね。
他にも投稿しておきたい作品がたくさんありますので、次回のクッチャルコはお正月休みにじっくり書きたいと思います。
そう言えば確か以前に猪にまつわる話を投稿されましたが「殺生石」の周りで猪の死骸が発見したみたいだな。
↑なんだか意味深ですね。
おちゃらけて始まったから笑える話かなと思ったら
途中「スゴイ!お姉ちゃんもスゴイ!人間ってスゴイんだね!人間大好き!!」って子犬のセリフで
(´;ω;`)ブワッ ってなった。
↑kamaです。ありがとうございます。犬好きな人にはかわいそうなシーンもあり、申し訳ないです。
kamaです。
19ページ目にあった
「実は朽屋が寝てしまったあとにリーダーがあれこれいじりまわして遊んでいたらしい。」
という文章は、リーダーが朽屋の体をいじってるようにも読めてセンシティブでしたので、
「実は朽屋が眠っている間にリーダーがこのライフルをいじりまわして遊んでいたらしい。」
に変更させていただきました。
投稿後にも変更できるのが奇々怪々さんのいいところですね。
一昔前のSSをみたいで読みやすくて面白いです。クッチャルコはそのうち「キミたち〜!」とか言い始めるんですか?w
↑kamaです。どこかでいれますかw
獣医の犬の話しとか犬系多いですね
犬飼ってるんですか?
↑kamaです。
今は飼ってませんが犬も猫も鳥もハムスターも飼ってたことがあります。
普通におもしろい
内容もしっかりしてる