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不思議体験

YoyoYoyoYさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

「さようなら」を言ってはいけない
短編 2022/12/23 08:10 983view

子供の頃、年末になると決まって見る夢がありました。
夢の中に出てくるのは、鳥のような古代生物のような、この世にはいない生き物です。

体は白と黒に縁どられていて、目は青色。手に指はなく、パタパタと上げ下げすると、水族館のペンギンにそっくりでした。
私はそれをペンペンと呼んでいました。
夢の中では、ペンペンと私の二人きりです。

人懐っこく、愛嬌のある顔で飛びついてくる私はペンペンが大好きでした。

今年は、ジャングルジムで遊びましょう。今年は、砂場でお城を作りましょう。毎年、公園のような場所で少しだけ遊んで帰って行くのですが、最後に必ず「またね」と言ってお別れします。

そんなことが、数年続いたある年の大晦日、私は夢の中でペンペンと会っていました。
「今年は何をして遊ぼうか。」

「今年は静かに本を読みたいな」私は公園ではなく図書館で本を読もうと勧めました。

公園以外で過ごすのは初めてでしたが、大きくなってきた私には、公園より心地の良い空間になりつつありました。

どれくらい時間が流れたか分かりませんが、夢から覚めるときが来たようです。
私たちはお互いに「さようなら」と言って別れました。

夢から覚めた私は、違和感を覚えました。
毎年、「さようなら」でなはく「またね」って言っていたからです。
そして、それからペンペンが夢に現れることは二度とありませんでした。

「さようなら」を言ってはいけなかった。
年末になると、ペンペンのことを思い出します。

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関連タグ: #夢#子供
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