飼い猫の影
投稿者:ぴ (414)
大学に通っているときに、すごく仲良くなった友達がいました。
お互いに教職員を目指していて意気投合したのです。
しかし大学を卒業して就職した後、しばらくは連絡を取っていなかったです。
やっと仕事も落ち着いてきて、急に会いたくなって友達に連絡したのです。
そしたら快くその子は私を家に呼んでくれました。
久しぶりに会った友達の家に入ると、すぐに足元にすり寄ってくる影がありました。
友達の家で飼っていた飼い猫のミーコです。
久しぶりに私が家に来たのを喜んでくれているような気がして、なんだか嬉しくなって猫の頭をやさしく撫でたのです。
嬉しそうにニャーっと鳴いていて、私の訪問を喜んでくれているようでした。
そうしてしばらく、友達と仕事の愚痴を交えながら話していたのです。
そしたらまたミーコがすり寄ってきて、私が足を突っ込んでいるこたつに入っていきました。
こたつに入った猫を片手で摩りながら友達とまた話をしていたら、友達に「何してるの?」て聞かれたのです。
だから私は素直に猫をなでてるといいました。
そしたら友達の顔色が変わって、「え?」て言われたのです。
その後友達に言われた言葉は、衝撃を受けるものでした。
だって友達は、飼い猫はもう半年前くらいに寿命で亡くなったと言ったのです。
と言われても、さきほどから私は猫を摩っているのです。
別の猫でも飼い始めたのかと思ったけど、そうではないと言われました。
私がこたつを捲って証拠を見せようと探したけど、そこに猫はいませんでした。
代わりに、こたつの中を探ったら「チリン」と鈴の音がしました。
手探りでそれを見つけて取り出すと、それは猫の鈴みたいでした。
友達ははっとして、「それ、ミーコがつけてた鈴」と言ったのです。
私の足にすり寄ってきた猫はおそらく亡くなったミーコの霊だったんだと思います。
ミーコは多分まだペットとして可愛がられているつもりなのでしょう。
それを話すと友達は恐怖よりも泣きそうだけど嬉しそうな顔をしていたのが印象的でした。
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