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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

突然の連写
短編 2022/12/03 17:08 778view

男女4人で、有名な心霊スポットに行ったことがありました。そこは昔病院があった廃墟らしく、時折変な音がするとか、患者さんや看護婦の幽霊を見たとかいろんな噂が立てられていました。といっても、こういう心霊スポットにはよく遊び半分で行ったことがあったので、今回も何もないだろうと勝手に思っていたのです。だけど、そこはいつもの心霊スポットと雰囲気が違いました。

廃墟の中で私がうろうろしていた所、背中をトントンと叩かれたのです。私はよく悪戯する純也が脅かそうとしていると思って、すぐに振り向きました。だけどそこには誰もいなかったので焦りました。まさか本当にいる?と少しだけ不安になりました。純也と憲太にしつこく誘われて階段を下りた地下を歩いているときに、隣で「ねえ、写真撮りなよ」と言われたのです。私は友達の雪が言ったのだと思い、言われるがままにスマホで写真を撮ろうとしました。

けれどカメラのシャッターを押しても、スマホが動かないのです。おかしいなとあれこれ押して何とか撮影しようとしたら、急にスマホが勝手に動き出し、連射でバシャバシャバシャバシャと連続に撮影を始めたのです。友達はびっくりしてこっちを見てました。私も同じくびっくりしてスマホを止めようとしたけど止まりませんでした。

そうしたら、「もう、勝手に写真撮らないでよびっくりしたー」と雪が言ったので、私はそれを聞いて、「いや、雪が撮れっていったんじゃん」と反論しました。そしたら雪は怒った顔で、「言ってないよ、私のせいにするー?」とぷんぷん怒り出したのでした。私たちはそこで口論になりました。だって確かに雪は私に写真を撮るように促したはずなのです。

不穏な空気になったので、一旦廃墟を出て、私たちは外の空気を吸ってほっとしました。そしてみんなで撮影した写真を見ることになったのですが、私のスマホを見た憲太が「うわー」と低い声をあげました。私がそっちを見たら「ええ、写ってるんだけど」て私に言うのです。おそるおそるみんなでスマホカメラを見てびっくりしました。だって勝手に連射された写真は、無数の手がこっちに向かって伸ばされている光景ばかりだったのです。ばっちり撮れすぎて怖いくらいでした。

そして私の一番近くにいた雪の背中に、べったりと知らない女性が抱きついている写真が撮れていたのです。雪はぎゃーっと悲鳴を上げていました。その後私たちはすぐにお寺に行ってその写真をお祓いしてもらいました。写真だけでその後私にも友達にも何もなかったのですが、とにかくしばらく生きた心地がしなかったです。もしかしたら私の写真を促したあの声も突然の連射も霊の仕業だったのかもしれません。

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