明日になれば・・・(加筆修正版)
投稿者:kana (216)
そんな不思議なものを見てしまう娘ですが、
寝顔は本当にかわいい。
人は子供時代によく不思議なものを見るなんて話も聞きますし、
たぶんこれも一過性のものに違いない。
そんな風に自分に言い聞かせながら娘の寝顔を眺めていました。
「ふふ。なんだろう・・・楽しい夢でも見てるのかな?」
娘の寝顔が笑っているように見えます。
「あぁ、ちょっと、スマホで写真撮っておこうかな」
そんなことをしていたせいか、娘が起きてしまいました。
「ごめんごめん、おこしちゃったねぇ~」
娘はどうやら夢を見ていたらしく、目をこすりながら夢の内容を伝えてきました。
「あのね、あのね、アタシ、空を飛んだの。
白い体になって、ふわふわ~って。
パパもママもいっしょに仲良く飛んだの。
まわりにもいっぱい飛んでたの。
いっぱいいっぱいいっぱーーいで、みんなで飛んだの」
私はそれを聞いて、しばし呆然としました。
・・・嫌な予感が走ります。
果たしてこれは笑い飛ばして良い話でしょうか?
私にはどうしてもそうは思えません。
もしもこれが何かの予知のようなものなら、そんなに余裕はないはずです。
娘が「白いものを見た」と言った翌日にはお葬式になっているのですから。
「どうする・・・どうする?」焦りと迷いが同時に沸き立ちます。
「・・・そうだ、実家だ、田舎のオヤジの所へ避難しよう」
私は妻にすぐ旅行の準備をさせ、ぐずる娘にも服を着せ、
クルマを走らせることにしました。
「明日会社はどうするの?」と妻が言ってきましたが、それどころではありません。
明日のことは明日になってから考えよう。
私は今、激しく嫌な予感に突き動かされています。
なに、間違いだったらそれでいいじゃないか。
あとで笑い話にしよう。
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