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不思議体験

ノノさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

スピリチュアルなメッセージ
長編 2022/11/16 21:37 2,813view
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私はパートをしている40歳の主婦です。
パートは、コインランドリーの清掃の仕事で人と顔を合わせることはありません。
家族は、年上の夫と高校生になる息子の3人家族。子供が小さな頃には、ママ友とランチや飲み会をしていましたが、それぞれフルタイムで仕事を始めたり、介護がスタートする人もいて、連絡をとることもほとんどなくなっていました。

家族は私以外は、男2人で、ふたりとも寡黙です。私は、もともと1人でいることは平気なタイプでしたが、それでも、1人ぐらい普段から話せる相手がほしいなと感じていました。

そこで、健康維持を兼ねて、パートがない日には近所のジムに通い始めることにしました。
私が行くのは、朝の家事を済ませた午前10時ごろ。その時間帯には、私のような主婦は意外と少なく、シニア層の方々が多くいました。
そんな中で、私と同年代の女性が1人だけいました。

彼女は、とても優しい雰囲気で、初めから好印象でした。ただ一つ、気になるのは彼女の体型でした。

彼女はまるで針金のように痩せていたのです。長袖、長ズボンで隠されてはいましたが、とてもほっそりとしていたのです。腕まくりをしたときの腕の細さは、幼稚園の子どもよりも細いぐらいでした。それにもかかわらず、彼女はいつも一心不乱にトレッドミルで走っているのでした。

私は、拒食症について、いくらかの知識はありましたが、彼女の姿を見かけたことをきっかけに、くわしく調べるようになりました。調べてみると、拒食症などの摂食障害には心理的な原因が深く関係していることがわかりました。

私は、彼女の雰囲気を好ましく思ってましたが、仲良くなっても助けてあげることもできないし、挨拶を交わすぐらいの関係性になれればいいかと考えました。本当は友人が欲しかったのですが、彼女のあまりの細さに怖気づいてしまったのです。

そんな気持ちとは裏腹に、彼女は私に挨拶だけでなく、いろいろと話しかけてくれるようになりました。質問に答えたり、彼女の話も聞くうちに、挨拶程度にしようと思っていたのに、友達と呼べるほど親しくなりました。

彼女の名前は、真子さん。年は私より2つ年上の42歳ということでした。長くバレエ教室で講師のお仕事をしていたのですが、体調を崩して、今は休んでいるとのことでした。

私は、彼女をマコさんと呼ぶようになり、彼女も私のことを陽子ちゃんと名前で呼んでくれるようになりました。ある日、そろそろ聞いてもいいかな、と思い、マコさんにこんな言葉をかけました。

「マコさんは細いのに、どうしてジムでそこまでがんばっているの?」

すると、マコさんの答えは意外なものでした。

「私はまだまだ太っている。陽子ちゃんぐらい細くなりたいんだけど…」
と言うのです。

私の体型は、モデルにはほど遠く、ギリギリ普通体型といえるぐらいの肉付きなのに、何を言っているんだろう、と思ってしまいました。

でも、マコさんは、まったく悪気がない様子で、嘘をついている感じもありません。

私は、家に帰ると、拒食症について、医師の解説や経験者の話をさらに調べました。マコさんがそんなことを言うのは、きっと病気のせいだと感じたからです。

調べるとやはり、拒食症の人はどんなに細くなっても、鏡を通した自分の体が太って見えることがあることがわかりました。理屈ではなく、本人には本当に太って見えるのだそうです。

私は、マコさんと親しく話すうちに、マコさんの優しさや可愛らしいところが大好きになっていきました。だから、なんとかマコさんには、もう少しだけでも太って、元気になってほしいと思いました。

その後も、マコさんにはわからない程度に、知りたいことを会話に織り交ぜて聞いていきました。まずわかったことは、マコさんは一度も精神科を受診した経験がないということでした。さらに、マコさんの両親は亡くなっていて、身内は他県にお兄さんが1人いるだけということもわかりました。

本当は、拒食症をはじめとする摂食障害は、精神科が専門なのですが、自分でそれに気つかなければ、何年でも受診が遅くなり、命にかかわるような事態になることもあるのだそうです。

このままでは、マコさんの命が危ないかもしれないと感じた私は、なんとかマコさんが病院に行く方法はないかと考えました。

でも、驚くべきことに、マコさんは自分が拒食症であるという自覚すらなかったのです。長くバレエをやっていて、体型維持のために食事を制限することが当たり前で、周囲もそうしていたため、自分は少食だということもわかっていなかったのです。

そんなマコさんに、いきなり拒食症の話をすることもできず、こうなったら、マコさんの身体に不調が出て、強制的に病院に行く事態になればいいのに、とすら思っていました。

マコさん以外に親しくおしゃべりする人がいない私にとって、いつしかマコさんは家族のように大切な存在になっていました。私は、良い方法を考えると同時に、毎晩必ずマコさんのために、祈りを捧げるようになりました。

その方法は、簡単で、眠る前に必ず「マコさんが元気になりますように」と心の中で唱えてから眠るというものです。すると、不思議なことに、私自身の眠りも深くなり、よく眠れるようになりました。

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コメント(1)
  • 良かったですね。運命的な出会いですね。

    2022/11/17/21:10

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