気づくべきではなかったこと
投稿者:そぼろ豆腐 (1)
短編
2021/02/23
21:59
9,574view
つまり、施設に到着した後で、俺の意識は2パターンに分岐したことになる。
だが俺の体は一つしかない。その体には現在、俺、太郎Aの意識が宿っている。
では太郎Bの意識はどこへ行った?
太郎Bは……消えた。
今は、この世のどこにもいない。
つまり太郎Bは……俺と同じ人格を持っていたはずの人間は、死んだ。
そのことに気づいた瞬間、太郎は悲鳴を上げた。
彼の住むアパートを見上げながら。
映像に残っていた、恐怖に歪んだ彼自身の表情がまざまざと蘇る。
号泣しながら太郎Bが叫んでいた言葉を、今ようやく、太郎Aは理解した。
「いやだあああああああ!!! 死にたくない! じにだぐないよおおおおおお」
頭の中に反響する、自分自身の断末魔から逃げるようにして、太郎Aはアパートの自室に駆け込み、ストロングゼロをしこたま飲んで気絶するように寝た。
前のページ
3/3
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 11票
さいごの一文ワロタww
5億年ボタンみたいにしたかったのかな?
太郎A.Bにするより、なにをさせられてたかの方が怖かったかも
いや、太郎Bヤバいヤツじゃん。
11日間ぶっ通しで帳簿とにらめっこだなんてそうそう出来ない。
多分、太郎は普通の人になったんじゃね?
意味解らんけど同じ自分同士だからいんじゃね?
最後笑う