鉄骨渡り
投稿者:GENGO (32)
短編
2022/10/14
18:13
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幸いにしてその後、その子は生還した。
10分後だったのか1時間後だったのかは今ではわからない。
ただ、もう日が暮れ始めるぞ、というときになってなんとかかんとか
じりじりとこちらに戻り始めたいそうな時間をかけて帰還した。
無事に帰って来た時、子供たちは皆が泣いていた。
だれも彼を責めなかった。
そしてだれからともなく、このことは親には言わない、と約束をして解散した。
その後、平均台遊びは一度として行われなかった。
それから一年後くらいだが、近所の村で子供が電信柱から落下して大けがをした。
なんでもカクレンボをしていて、電信柱をよじ登ってかくれようとしたそうだ。
たしかに、頭上数mの位置にかくれるというのは盲点だっただろう。
だが手を滑らして落下したらしい。
それを聞いて私は思った。
「数m上からおちたくらいで・・」
子供って恐ろしいと今になって思う。
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