カエルの化身

不思議なのは、私たちを紹介してくれたお局さまがその後何も聞かなかったことなのです。

自分から紹介したのだから、あれこれ気になって聞き出しそうなものを私たちのその後の状況を聞くことは一度もなかったです。

彼がカエルの化け物だったかどうかは今も知りません。

確かめようもありません。

もしかしたらあの日のことはすべてただの夢だったかもしれないし、そうではないかもしれません。

ただ彼のご両親から虫入りのタッパーを渡されたことは事実で、冷静な対処は不可能でした。

だからきっと彼との未来は最初からなかったんだろうなと思っています。