隣の家に入っていく中年男性

私の友人が体験した怖い話です。
友人は、結婚して市内の団地に住む事になります。
普通の5階建て団地で、築は20年ぐらいでした。

友人は、5階に住み見晴らしを気に入っていました。
引っ越して1か月経った頃、雨降りの日友人は仕事から団地に帰って来ます。
階段を上がっていると、友人は背中に人の気配を感じたものです。

後ろを振り返ると、そこには知らない中年男性がいました。

「どこの階の人だろう？」

と、思いながら友人は5階に着きます。

ドアを開けて入ろうとしたら、後を歩いていた中年男性が隣の家へ入って行きました。

「隣の人だったのか。でも、隣にはおばあさん一人だけ住んでいるはず。」

友人は、少し疑問に思い奥さんに聞きます。

「隣の家に、中年男性住んでいるか？」

「いや、住んでいないと思うよ。」

奥さんも、知らない感じです。

「親戚か？知り合いの人かな？」

と、友人と奥さんは思いました。
翌日、友人は仕事が終わり団地の階段を上っていると、また背中に人の気配を感じます。

振り返ると、隣の家に入って行った中年男性でした。

また、友人と交互に男性は隣の家へスッと入って行きます。
少し男性の事が気になった友人は、奥さんに言いました。

「隣の家へ行って、中年男性誰なのか聞いて来い。」

奥さんは、隣の家へ行き男性の事を聞きます。

「あのー、今家に入って行った男性誰ですか？」

すると、おばあさんは、驚きの言葉を言いました。

「そんな人家にいません。」

数日後、友人の奥さんは1階に住むOOさんに聞きました。
すると、中年男性はおばあさんの息子らしく1年前に飛び降り自殺したとのことでした。