グリコの遊び
投稿者:獄画廊 (4)
地方によって違いはありますが私の地方では「グリコ」の遊びが今も子供たちの間で続けられています。
グリコ、とはジャンケン遊びのひとつで、数人でジャンケンをしてグーで勝ったら「グ・リ・コ」と階段を進んでチョキで勝ったら「チ・ョ・コ・レ・ー・ト」と六歩階段を進みます。パーの時は「パ・イ・ナ・ッ・プ・ル」と六歩進みます。グーの時だけ歩数が少ないですが気にする子はいませんでした。
そんなグリコの遊び。どこでもやれる事でお金の掛からない遊びのはずですが、とある場所では絶対にやってはいけない、というルールがあります。おじいちゃんやおばあちゃんに聞くと必ず教えてくれます。そこに遊びに行くと言うと、「グリコの遊びは絶対にするな」と言われます。真剣な顔で言われるので子供心に「絶対にしたら駄目だ」と心に刻まれているくらいです。
その、ある場所とは階段が100段近くあるお寺の階段です。よく運動部の高校生が走り込みなどで使っているくらいの階段なのですが、コンクリートの整備されている階段ではなく、本当に石が置かれているだけの滑ったら危ない階段なのです。危ないから駄目、と言われているのかもしれませんがある噂も同時に囁かれています。
夕暮れ時、この階段を軽快に上っていくとある子供が笑いながらこちらを見ている、という噂です。
その子供は狐のお面をしていて着物を着ている、時代が違うような子供だそうです。夕暮れ時、というのは別名、黄昏時でもあって逢魔が時とも言われている時間帯な事もあって大人でも避けている時間帯の事です。そして子供は言うのだそうです。
「駄目だよ、連れて行かれるよ」
と。
「落ちちゃうよ。ゆっくり歩かないと足を掴まれるよ」
と言われた子供が驚いて階段を転がり落ちたとか、そんな噂まであります。ただの石でしかない階段は雨の後は濡れているから滑りやすいためだとか大人は言うけど、それだけじゃないような気がするのです。
こういう噂は子供を危険から遠ざけるためのものだと思いますが、それにしてはおじいちゃんやおばあちゃんは「グリコの遊び」と断定している事が気になります。
他ではこういう噂はないものでしょうか?
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