お多福女
投稿者:ねこじろう (147)
短編
2022/09/08
15:21
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「ありがとう」
私は主人からの予想外のサプライズに、こみ上げる喜びに耐えきれず、いつの間にか涙を流していた
翌日は燃えるゴミの日だったから食後、私はマンションのゴミステーションにゴミを持っていった。
集合ポストから郵便物を取り、誰もいないエレベーターホールで一人エレベーターの到着を持つ。
やがてチーン!という心地よいベル音とともに、ゆっくりと金属の扉が開いていく。
そしてうつむいた顔を持ち上げた瞬間、私の全身は総毛立った。
視界の先には、エレベーター奥の姿見。
そこに映っている黄色いエプロン姿の私。
そしてその肩越しの暗闇にポツンと顔があった。
それは、、、
時代遅れの桃割れの髪型をした女
額のかなり広いその顔はまるで白粉でもふったように白く下膨れで、眉のないミジンコのような細い目を嬉しそうに緩めて微笑んでいた。
【了】
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