ご近所さん
投稿者:きな粉もち (3)
短編
2022/08/28
05:09
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散歩をする習慣が私にはあるのですが、
その時に会う奇妙なご近所さんたちの
お話をさせていただきます。
夜、私はいつものようにスマホと水だけを
カバンに入れて家から離れ、
散歩コースの方へと向かっていきました。
住宅街は街灯はまばらにあって
月明かりさえあれば、
夜中といっても歩けないほどではありません。
15分ほど夜の闇を歩いてても人っ子1人居らず、
世界に私1人だけになったような
感覚がしました。
でも街の中にある小さな神社に
通りがかったとき、向こうの方から
人が歩いてくるのが見えたんです。
音を立てながらなにかを押しながら
こちらへと寄ってくる人影。
よーく目を凝らすとその正体がわかりました。ベビーカーをカラカラカラカラ、
俯きながらぶつぶつぶつぶつ。
珍妙な雰囲気を纏った女性が
ベビーカーを手押ししてこちらの方へ向かって来ます。
なんてことはありませんでした。
いつものご近所さんです。
いよいよすれ違おうという時、
さっきまで俯いていた女性が、
こちらの方を向いていつものように
喋りかけてきました。
女性の胸元には包丁が刺さっています。
肺に穴が空いてるだろうに
よく喋れるものです。
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