登山道で…
投稿者:youchi (13)
40歳を過ぎてから、主人と山登りをするようになりました。初心者の私たちは、平日の空いている時にゆっくり登山を楽しんでいるのですが、自分たち以外に誰もいない登山道を歩いていると、時として不思議な体験をすることがあります。
山梨県のとある山に登った時のことです。早朝、登山口に車を停めてゆっくり歩きはじめました。
しばらくは平坦なトレッキングコースでしたが、傾斜は徐々にきつくなり、やがて岩がゴツゴツとした登山道になりました。
上の方から数人が下りて来るのが見えたので、本来は上りが優先ですか、初心者の私たちはその場に留まり、下山者が行き過ぎるのを待っていました。やがて数人のグループとすれ違い、さあ登ろうとしたところ、また上の方から声が聞こえてきました。見上げると、木々の間から人影が見えています。私たちはまた道の端に寄り、しばらく待っていました。
しかし、一向に誰も下りてくる気配がありません。主人に、
「あれ?今、人が下りてきてたよね?」
と尋ねると、
「話し声が聞こえた」
と言います。
私の聞き違いじゃなかったんだ、人影も見えたし..
そう思ってじっと待っていましたが、結局誰も下りてくることはありませんでした。主人は山の反響で人の声がこだましたのだの言うのですが、確かに木々の間からウェアが見えていたのは間違いありません…
見間違いだったのかなぁ
そんなことを思って岩場を登っていると、思い切り後ろから肩をバシッと叩かれました。
「痛っ!」
思わず声をあげて振り返りましたが、誰もいません。主人はだいぶ前方にいます。主人に追い付いて、誰かに叩かれたと話しましたが、信じてもらえません。
「だいたいこんな急な登りで、後ろから人の肩を叩くなんて無理でしょ。そんな腕の長い人いるわけない。っていうか、うちらの後ろ誰もいないから」
それから頂上で小一時間休憩しましたが、私たちの後に登ってくる人はいませんでした。
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