大人になってからわかったこと
投稿者:youchi (13)
祖母と母は霊が見えたり感じることができたようで、幼い頃からよくそんな話を聞かされていました。遺伝なのか、姉も同じような体質を受け継いだのですが、私は霊を見たことはありません。ただ、夢で不思議な体験をすることがしばしばあります。
小学生の頃、本人たち以上に親同士が親しくしている友達がいました。Rちゃんです。今ではコンプライアンスが厳しくなっていますが、私が小学生の時代、学年が変わると配布されるクラスの名簿には、住所、電話番号、両親の名前が記載されていました。父親の名前が空欄の同級生が数名おり、〈あの子の家はお父さんいないんだ〉と、子供ながらに複雑な気持ちになったのを覚えています。Rちゃんの父親の名前も空欄でしたが、家に遊びに行くと、時々お父さんらしき人がいて、Rちゃんも「お父さん」と呼んでいたので、名簿は何かの間違いなんだろうと思い、だんだんその事は忘れていきました。
高学年になった頃、Rちゃんのお母さんが病気で亡くなりました。親しくしていた母は相当ショックだったと思います。
私と言えば、高学年になるにつれRちゃんとはほとんど遊ばなくなっていたので、お母さんが亡くなったということも、どこか他人事でした。そしていつの間にかすっかり忘れていました。
それから一年ほど過ぎた頃、Rちゃんのお母さんから電話がかかってくる夢をみました。
「お願いだから私のことを話さないでと、あなたのお母さんに言っておいて」
Rちゃんのお母さんは、受話器の向こうで何かを訴えるようにそう言います。
「わかりました」
私はRちゃんのお母さんにそう言って電話を切りました。
朝になって目が覚めても、Rちゃんのお母さんの声が耳に残っています。
朝食の時、母にその話をすると何故かめちゃくちゃ怒られました。亡くなった人の話をおもしろおかしくしてはいけないと。私は事実を話しただけなのに、何でこんなに叱られるんだと憤慨したのを覚えています。
先日、久しぶりに姉とその話をしていると、姉が思い出したように言いました。
「そういえば、Rちゃんのお母さんって商店街の○○屋さんのお妾さんだったのよ
。よくうちのお母さんが近所の人とその噂してたから。よほど人に話してほしくなかったんだね。」
姉は私より六才年上なので、当時から母の話もよく聞いていたようです。
小学生の私には理解できませんでしたが、Rちゃんのお母さんが何故私に電話してきたのか、数十年が経ってやっとわかりました。
既に母も他界していますが、おしゃべりな母を許してほしいと、Rちゃんのお母さんに心の中で手を合わせました。
投稿者様のお母様が投稿者様に怒ったのは、自分のなかでどこか心当たりがあって、それを隠すために怒ってしまったのかもしれませんね…。
おしゃべりで甲斐性ない母親やね