サッカーの試合中に聞こえてきた声

友人が体験した不思議な話です。
高校時代、サッカー部に所属していた友人は青春を送っていました。
同じ学年に、「T君」というメンバーがいて仲が良かった友人。

しかし、T君は、大病を患い2年生の夏に亡くなってしまいます。
悲しみを抱えながら、サッカーに打ち込んでいると、
3年の夏の県大会がやって来ました。

友人は、フォワードで中心メンバーとして活躍をします。

準決勝まで進むと、相手は強豪の名門校でした。
試合は、前半2対０で友人の学校は負けています。

後半が始まると、友人の耳元で声が聞こえて来ました。

「もっと左へ。」

「前へ出て。」

など、メンバーからではなく「天」から聞こえて来る感じでした。
友人は、その声に気が付き病気で亡くなったT君の声と思ったものです。

その声に後押しされるように、友人は動きシュートを打ちます。

ボールは見事、ゴールに刺さり友人1人で3点を挙げて勝利しました。
強豪校に勝ったチームは、喜び決勝戦へ進む事に。
試合後、友人は他のメンバーに声の事を話しました。

「試合中に、耳元で前へとか、もっと左へと声が聞こえて来たんだ。」

「死んだT君の声に似ていたんだ。」

と、不思議な体験にメンバーも半信半疑です。
しかし、その準決勝の試合の日は、偶然にも大病でT君が死んだ日でした。