【ほん怖】真夜中に鳴り響くナースコール
投稿者:邪神 白猫 (7)
一瞬のことでよくわからなかったとはいえ、夜中によくトイレに行く人といえば松居さんだ。
(また部屋間違えてないといいけど……。念の為、確認しとこう)
そう思った私は、トイレを通り過ぎると202号室へと向かった。
「……あれ?」
寝息を立てながら気持ち良さそうに眠っている松居さんの姿に目に留めると、私はその場で小さく首を捻《ひね》った。
「松居さんじゃなかったのかな……?」
そう思って室内を見渡してみるも、皆小さな寝息を立てながら眠っている。ここに来るまでにチラリと確認した201号室も皆寝静まっていたので、202号室でないとすると203号室か206号室の誰かだ。
(……一応、全室見ておこう)
何もなければ良いが万が一という事もある。そう考えた私は、そのまま奥へと向かって廊下を進んだ。
「新井さんと佐藤さんはいる……と」
そんな小さな声を零しながら203号室の確認を終えると、続いて206号室へと向かって歩みを進める。
「っ……、え?」
何気なく205号室の前を通り過ぎようとしたその時、驚きに小さな声を漏らした私はピタリと足を止めた。
鍵が掛かっていると聞いていた205号室の扉が、僅かに開いているのだ。
(え……っ? なん、で……?)
午前1時に巡回した時には、確かにこの扉はキッチリと閉じられていた。
けれど鍵の確認までをしたわけではなかったので、もしかしたらあの時から鍵は掛かっていなかったのかもしれない。そんな事を考えながら、私は薄く開いた扉に手を掛けると中を覗いてみた。
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