【ほん怖】真夜中に鳴り響くナースコール
投稿者:邪神 白猫 (7)
長編
2022/07/24
05:34
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「──! やっぱり、誰か間違ってこの部屋に入っちゃったのね……」
人一人分程の大きさに膨らんでいる布団を目にした私は、溜め息混じりにそう呟くとベットへと近付いた。
(一体、誰だろ……)
そんなことを思いながらも、目の前の布団を掴むとゆっくりと捲ってゆく。
「……起きて下さい。病室間違えてま──!?」
布団片手にピタリと固まった私は、呆然と目の前のベットを見つめた。
確かに人一人分程の膨らみがあった布団は、捲ってみるともぬけの殻だったのだ。
「え……っ?」
(私の見間違い……? いや、確かに膨らん──!)
突然の寒気にブルリと震え上がった私は、強張る身体を硬直させるとカタカタと震えた。
(なにか……、いる……っ)
背後から感じる確かなその存在に、私の額には薄っすらと汗が滲み始めた。
人ならざる者の気配だと瞬時に肌で感じとった私は、ギュッと固く瞼を閉じると見様見真似の念仏を唱える。
(お願い……、消えてください……っ。お願いします──っ!)
それから一体、どれ程の時間が経過したのか──。
先程まで存在していた気配がなくなったのを感じた私は、固く閉じていた瞼をゆっくりと開いてみた。
「っ……良かっ、たぁ」
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