味方のふり
投稿者:りー (118)
短編
2022/07/25
19:21
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私が高校生の時の話です。
当時私には好きな人が居ましたが勇気が無くなかなかアプローチ出来ませんでした。
ある日友人のA子がそんな私の悩みを聞きつけ好きな人との仲を取り持ってくれると言うのです。
行動に移せなかった私には非常にありがたい申し出でした。
後日なんと好きな人とデート場所をセッティングしてくれると言うのです。
急な事だったのでかなり動揺しましたが千載一遇のチャンスをものにする為デートに赴く事にしました。
場所は近所のファミリーレストランです。
待ち合わせ時間に行くとてっきり彼だけしか居ないと思っていたのになぜかA子まで席にいます。
A子はすかさず「2人きりじゃ緊張するでしょ?私も同席するから安心してね」と言いました。
驚きはしましたがその時は確かに緊張しており一緒にいてくれるなら心強いかもしれないと思いました。
デートは滞りなく終わりなかなか良い雰囲気になった事もあり浮かれていたら、数日後なんとA子と彼が付き合う事になったのです。
事情を問いただしたら「仕方ないでしょ、彼私の方を好きになっちゃたんだから」と事も無げに言います。
後で別の友達から聞きましたがどうやらA子は人の恋が実ろうとするとそれを壊そうとするタイプだったようです。
彼の事も私と良い雰囲気になったので後から根回しして彼に私の悪口を言い募り気持ちが冷めた所で猛アタックの末付き合う事になったそうです。
A子の味方のふりをして勝ち誇った顔は今でも忘れられません。
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