ある有名な廃病院
投稿者:魔界塔士 (8)
もう何年も前の話になります。
隣町にある有名な廃病院には数多くの噂があり、近隣の家には御札が貼ってあるとか、カルテを持って帰ると「返して」と電話があるとか。
ある日の事、仲間6人でついに、その廃病院へ行く事になりました。
あの頃の僕は恐怖心もあまりなく、好奇心だけだったのを覚えています。
車を1時間程走らせると目的地の廃病院へ到着しました。
確かに近隣の住宅には御札が張ってありました。噂は本当だった様です。いよいよ病院内へ入る事になり、恐怖心のない僕が最後尾で懐中電灯を持つ事に決まり、いざ中へ入っていきます。
木造の廊下や階段は激しく損傷していましたが、病室は少し生活感が残っていて不気味でした。オペ室は薬品臭くて長くいられなかったのを覚えています。
そんなこんなで建物内を一周した頃に僕の友人が
「おい!!やめろって」って僕に言ってくるので
「え?何?」って友人に聞き返すと
「さっきからシャツの裾引っ張ってるやろ?」と言うので
「いや引っ張ってない、てか引っ張れない」と僕はいい…
振り返った友人が絶句。
そう僕はずっと片手に懐中電灯をもって、もう片方の手はズボンのポケットに入れた状態だったのです。
「いつものイタズラじゃないの?」と恐る恐る聞いてきた友人に僕は
「マジで何もしてない」と一言。
その瞬間友人は悲鳴を上げて走り出し、他の仲間も訳もわからず一緒に悲鳴を上げながら走り出しやっとの思いで建物の外へ逃げ出しました。
改めて友人から話を聞くと、何度もシャツの裾を下に
「クイックイッ」と引っ張られたようでした。
心霊スポットへ行くと必ず面白がってイタズラする僕の仕業だと思っていたようです。
その後帰って電話があったり、事故に遭ったりする事もなくてホットしました。
その後近隣の迷惑防止の為廃病院には某有名セキュリティ会社が入り中に入る事は出来なくなり、つい最近になってついに取り壊され綺麗な更地になりました。
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