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不思議体験

sumireさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

琵琶湖の畔で感じた男性の気配など
長編 2022/06/11 17:40 2,377view

私の実家はお寺で、小さな頃から「何か・誰か」を感じることがよくありました。

覚えている中での最初の出来事は小学校1年生のとき。両親とは襖を隔てた隣の部屋に初めての自分の部屋を作ってもらいました。2階の自分の部屋が嬉しくて、夜は襖は開けたままですが自分の部屋で一人で寝ることが大人になった気分でした。

ある日、ふと目が覚めるとまだ階段の電気が付いていたので、両親は1階で起きている時間だったかと思います。

ウトウトして再び寝ようとしたとき、人の気配を感じて部屋の隅に置いていた衣装ケースの方を見ると、おかっぱの赤いスカートを履いた女の子が正座をしている姿が見えました。当時は何も分からず、自分の部屋にいる誰かが怖くて目を閉じるのが精いっぱいでした。

大声で助けを呼びたいのに声がでず、布団にもぐりこみ目を閉じて時間が過ぎるのを待っていました。すると畳を歩く足音がこちらに近づいてきます。ミシッ、ミシッと。ゆっくり近づいてくるのです。私の布団の横まで来た瞬間!・・・気づくと朝でした。

翌朝、なぜか両親にはその話ができませんでした。それ以来その女の子を見たことはありませんが、テレビで座敷童のことを知ったときに「これだ!」と思いました。私は今でも座敷童だと信じています。

そしてこれは数年前の話。

私の姪っ子が2歳頃の時、実家で一緒に遊んでいると、誰もいないところを見ながら急に泣き出したことがありました。「あそこに誰かいる」そう言われて指さす方を見ると誰もいません。しかし私は「女性だな」と感じました。

するともっと激しく泣き出し、別の部屋にいた兄を呼んで「パパ~あそこに女の人がいる!怖い!」と号泣したのです。もちろん兄も私の母も「誰もいないよ」と笑いながら言っていましたが、私には女性を感じました。

そして私の息子も生後半年の頃、実家に帰省すると誰もいないはずの方を見て、誰かにあやしてもらっているように笑っていました。

よく子どもには見えると言いますが、本当なんだと感じた瞬間でした。そして私の実家には何かいるんでしょうね。

話は逸れましたが・・・

その後も、大人になってからも誰かに見られている視線を感じることはよくありました。姿は見えないのですが、性別だけははっきり分かります。

お店で友人とランチをしている時に、窓側の席で横は車の通る大通り。楽しくおしゃべりをしていても突然嫌な雰囲気を感じ、姿は見えませんが視線を感じる大通りの方を見ると「電柱からこちらを怖い顔で見ている女性」という感じで視線を感じるのです。

またある時は、バイト先の休憩室で一人でごはんを食べていると座っている机の下からこちらを見る男性の強い視線を感じたこともあります。その男性はとにかく怖い表情でこちらを見ているのです。もちろん何も見えていません。

見えないというより私が見えていないふりをしています。見てしまうとそれ以上の恐怖があるような気がして・・・

このように、今まで視線を感じると必ずと言っていいほど性別と表情を直感的に感じるのです。表情は怖いものもあれば無表情も。怨念の強さではないかと思っています。

この視線を感じることは昔より回数は減っていますが、今でも続いています。

こんな私が今までで一番恐怖を感じた出来事は高校生の時でした。

初めてできた彼氏と地元の琵琶湖で夜にこっそり会っていたときのこと。

滋賀県の琵琶湖の近くに住んでいた私は、小さいころから慣れ親しんだ場所だったので夜に行っても恐怖もなく、親には「友達と花火してくる」と家を出ていき、彼氏と秘密のデートが嬉しくてたまりませんでした。

湖岸のコンビニでお菓子やジュースを買って、湖岸のベンチに彼氏と座りました。琵琶湖沿いに走っている湖岸道路からは少し琵琶湖の方に入ったところで、車のライトもほぼ見えず街灯の明かりが少し照らされるくらいの明るさで、人通りはほぼない穴場スポットでした。

ベンチのすぐ前は琵琶湖で、その日は風もなく夏の蒸し暑い日でした。

彼氏と話しながらお菓子を食べゆっくりしていると、あの視線を感じたのです。感じた先は近くの木。近くに1本だけ大きな木があったのです。

いつもは見ないようにするのに、なぜかその時はしっかりその木を見てしまいました。すると木の枝に縄をかけてぶら下がっている男性が・・・

薄暗い明かりで影が見えるくらいでしたが、人が首を吊っているそのシルエットがあまりにリアルに見えたので、本当に誰かいるかと思ってもう一度しっかり見ました。

恐怖はありましたが、今ここで彼氏に話すと怖がらせてしまうと思い、何も言わずに「コンビニ行こう」と言おうとしたその時!

なぜか彼氏も急に「今、あそこに誰かいた?」とその木を指して驚いたように言うのです。

そしてその瞬間、風もなく蒸し暑い日だったのですが、その木の葉っぱだけが強風で揺れるように激しく揺れたのです。もちろん風は吹いていません。

彼氏も私も怖くなり、すぐに湖岸道路に出て近くのコンビニまで走りました。

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