人生で一番最悪の日
投稿者:ぴ (414)
私はその日、生きてきた中で一番最悪といっていい日を過ごしました。
本当にその前後に何かした記憶もなければ、その付近に何かの予兆があったわけでもありません。
ただ私はその日、生きてきた中で一番恐ろしくて気分の悪い日を過ごしました。
もともと疲れが出ると熱が出ることが度々あって、余程のことがなければ仕事を休みませんでした。
ただその日は高熱とともに本当に体が悲鳴をあげているかのようにしんどくって、仕事にいけるような体調ではなかったです。
職場に「休ませてください」という電話をすると、心から心配されました。
普段から有給なんて絶対取らないし、ちょっとやそっとのことでは仕事に穴を開けない私が弱音を吐いて休むことにきっと驚いたのでしょう。
職場の人は「ゆっくり休んでね」と私の体を気遣ってくれました。
私は一人暮らしをしていたので、とりあえず市販の風邪薬を飲んで眠ったのです。
あまりに辛くて体に力も入らないし、病院に行く気力すらなく、病院は昼から行けばいいと思いました。
休んだら少しは体力が戻ってくるだろうから、昼になって車で近くの病院に行くつもりでした。
そしてしばらくうとうとしていた私の耳に微かに声が聞こえてきたのは、微かな悲鳴でした。
最初は風の音か何かと思ったのですよね。
微かにざわざわするような音がして、外の風が強いなと思いました。
でもよくよく聞いてみると、その風の音らしきものが人の悲鳴のように聞こえてきたのです。
それは「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁ」という微かに聞こえるような悲鳴でした。
ぱちっと目が覚めて、周囲を見渡したけど近くには当然誰もいません。
一人暮らしの私の部屋に他に人がいるわけがないのです。
起き上がって周辺を見てみたけど、テレビがついているわけでも、外からの音が聞こえてきたわけでもなさそうでした。
今の声は何だったのかと首を捻りました。
朝机に置いておいたコップの水を一口飲み、もうひと眠りしなきゃと思いました。
体は朝と同様にしんどく、ぐったりしたままです。
私が寝入ろうと目をつぶったら思ったら、また再びあの叫び声が聞こえてきたのです。
二回目に聞いた叫び声はどちらかというと断末魔みたいな「ぎゃぁぁああああああ」という苦しそうな叫び声でした。
私はこの声にドキッとしました。
だってその掠れた小さな叫び声は私の耳元から聞こえたのです。
私はしんどい体を無理やり起こして、周りを確かめました。
でもやっぱり周りに何かがいるわけではありません。
ですが、私はもうその「何か」を無視でなかったです。
だって叫び声のすぐ後に、なんだか気味の悪い「ぐっちゃぐっちゃ」という下品な咀嚼音のような音が聞こえてきたからです。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。