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呪い・祟り

J2さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

姉の夫の「呪い」
長編 2022/05/01 21:31 7,885view
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姉の夫は結婚した時は普通のサラリーマンだったそうです。

結婚の挨拶に来た時のことを覚えていますが、品行方正で優しそうな男性だったことは覚えています。

結婚後数年で退職し、「以前から憧れだった占いの仕事を開業したい。」と言い出したそうです。

占いの勉強をし始めてから謎のスピリチュアル教に改宗させられた姉は1日3回呪文を唱える生活が始まったそうです。

少しでも呪文を間違えると「いい加減に覚えろ!」と夫に怒鳴られ、必死に写経して覚えたと言います。

私が学校に行っている時間帯に実家の母に相談し、泣きすがっていた姉でしたが、次第に母が不機嫌そうになってこれはまずいと思ったそうです。

その頃には姉の夫が母に毎日のように宗教勧誘のチラシを送り付け、電話をかけていたのだと姉が言います。

精神的に疲れた姉と、追い詰められた母が沈んだような表情になっていたことをその時初めて知りました。

「でも、新興宗教だけであんなにお母さんがおかしくなったの?」と呟いた私に姉が。

「なんかね、夫が「全然宗教に理解がないお義母さんには呪いをかけてやった。」とか「これであの人の命も長くない。」と言っていたの。

でも、実際に何をしたのかは全く聞かされていないの。ただただ弱っていく母が心配で、私は夫と共に家からあまり出ないようにしているの。」と言います。

姉の夫の言う「呪い」というものが一切理解できませんでしたが、これまでの母の様子も合わせて恐怖心が一気に増しました。

新興宗教の話や本人の様子だけでも充分恐怖感がありましたが、義理の親を呪う神経が1番おぞましかったです。

姉と「母を精神科に連れて行った方が。」「いや、先にお祓いを受けた方が。」「どこに行けばお祓いってしてもらえるの?」と散々話し合い、何の解決にならないままカフェを出ました。

私は高校進学後、他県にある母の実家に母と移住しました。

通学には電車で何時間もかかりましたが、母のためだと思って頑張りました。

事情を知った祖父母や親戚が交代で母の様子を見てくれることになり、安心して通学ができました。

祖父母が教えてくれた地元で有名な神社にお祓いに行って以降、母は昔の優しかった面影を取り戻しました。

現在、私は社会人になり、職場で出会った男性と結婚し、子供も生まれました。

姉はつい最近、夫との離婚がようやく成立し、子供とのんびりした生活を送っています。

孫に囲まれて優しそうな顔をしている母の表情を見ると、嬉しい気持ちです。

本当にあの時は何かに憑かれていたんだなと大人になってようやく理解できました。

現在は昔住んでいた家に戻った母を心配して、近くに住む私や姉が毎日のように様子を見に行っています。

穏やかな生活を手に入れるまで何年もかかりましたが、今回の件で思ったことは色々あります。

それは、宗教や考え方で人は簡単に壊れることができる生き物だということ。

そして、「呪い」や「生き霊」等の非科学的と言われるものは本当にこの世に存在するんだということです。

1つの物事に没頭するのは自由ですが、家族や大事な人を平気で傷つけるようでは宗教や占いの意味がないと私は感じました。

元気に生活できている母と姉、そして姪の姿を見ると「誰かが亡くなるまでの被害がなくて良かった。」と心底安心します。

噂では姉の元夫は現在実家に戻り、実家近くの精神科に入院しているそうです。

周囲との連絡手段を完全に絶たれ、閉鎖病棟で過ごしているということから、私たち家族に被害はないと少し安心しています。

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コメント(1)
  • こういう状況でも離婚がすぐにはできないのだろうか?呪うとかは罪にならないのかな

    2022/07/04/15:37

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