ある県の山中ドライブデート
投稿者:fatcat (3)
母「さっきからずっとなにやってんの?
猛スピードで降りてきたからどこか擦っちゃった?笑」
父「いやそうじゃないんだけどね…確かにどっか擦っちゃった
かもなぁ笑」
母「っていうか私をトイレに寄らせるよりも重要な用事って
なんだったの?」
皮肉たっぷりに話す母の横目に、父は車のボディを服の袖で拭いている。
父「あぁ…あれはウソ笑…ごめんね…ちょっと諸々のことは
帰ってから話すよ…」
母「…それなら後で聞くけど…」
母は父の突然の奇行よりも、後から聞くであろう話で頭がいっぱいになってしまった。
父と母の間で隠し事は今までないと思っていたのだが、実は1つ父にはある隠し事があった。
それは母を思ってのことであり、言うほどのことではないと父は今まで思っていたからである。
そして家の駐車場に着き、家の中に入る。
それでは事の真相を聞きましょうかと言わんばかりの態度で母は父に体を向ける。
母「さぁ!さっきの話って何?」
父「…実はねぇ…言う必要はないと思っていたんだけど…
俺は昔から霊感というのが強くてね…」
母は拍子抜けたような顔しながら話を聞き続ける。
父「今回のはちょっと危険を感じてしまうくらい凄かった
んだよ…」
今回起きた一部始終を母に話し始める。
父「実はあの山道を登っている時から無数の…幽霊って言ったら信じてくれるか分からないけど…そう言うものが車の周りに着いてきていたんだよ…」
その話によると、どうやら車の周りにペダベタと幽霊達が群がり、ずっと車内にいる父と母を凝視していたらしいのだ。
車を降りるなと母に命じた時、開けてしまったら最後。車内にその無数の霊が入り込み、もう収拾がつかない状態に陥ってしまっていた可能性があると言う。
誰しもが車の周りに人が群がるという状況が想像できるでしょう。
父の目に映っていた光景は想像するまでもなく怖いものであることは間違いない。
母はその話を聞き、呆気にとられる様子だった。
母「あなたが、そんな感じで言うんだから本当なんでしょうけど、そんなの見えてて怖くないの?」
父「怖いという感情はとっくの昔になくなってるよ笑
もう慣れてるからね〜」
母「今度見えた時は言いなさいよね!笑」
父「絶対言わないよ笑」
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