ある県の山中ドライブデート
投稿者:fatcat (3)
そう言って車のドアを開けようとした時、今まで黙っていた父親が勢いよく母の腕を掴み、ドアを開けるのを阻止した。
母「もうなんなの??あんたおかしいわよ?」
父「今はでちゃダメだ!!とりあえず直ぐに山を降りよう…
用事を思い出した…」
今までの父とは考えられない態度で母が外に出るのを静止し、直ぐに車を発進させる準備を始める。
母「なんなの用事って、トイレ行くくらいなんともないで
しょ??」
父「今だけはオレの言うことを聞いてくれ!急いで山道を
降りるから!」
有無を言わさず、山道を駆け降りる。その間も父は前方だけではなく、色々な方向を見ながら運転しいる。
その間も母は尿意のこともあり、苛立ちが治らない。
いつもは優しい父が、母のことを気にかける余裕がない。
母「…とりあえず早く降りたとこの近くのコンビニに行って
ね…」
父「…あぁ…とりあえず俺が出てもいいというまで車から
出ないでくれ…」
夜ということもあり、車の通りは皆無だった。多少乱暴な運転をしても、他に迷惑をかけることはなかった。
車はその後も猛スピードで走り続け、もう山道を抜けるところまできていた。
母「やっと降りれた…いつもより長く感じたわ…あそこまで
行けばコンビニよね」
父「すぐに寄るから待ってて」
そして母も車内で漏らすことなくコンビニにたどり着けた。
先程の父の顔よりは良くなったものの、いつもの調子を取り戻しているわけではなかった。
母「もう降りて良いわよね??さっきの腕痛かったんだから」
父「…あぁごめんごめん…早く行ってこいよ!」
車から降りる許しを得て、待ちに待ったトイレに向かう母。
それと同時に父も車を降りる。
しかし、何をするわけでもなく自分達の車を食い入る様に、外側から見て回っている姿がコンビニの中から見てとれる。
トイレから帰ってきた母は、気分も晴れた様子で、いまだに車の様子を見ている父に話しかける。
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