心配性の祖父
投稿者:pams (61)
短編
2022/04/08
13:23
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先日叔母から電話がありました。
「なーんか、不思議なんだけどね。誰かに見られとるんよ。でも怖いっていう感じじゃないんよね。」
と言うのです。
祖父が旅立って4年。この間、叔母は色々な現象に遭遇しています。
白い靄が庭を浮遊していたり、大きな真っ白の犬が夜中に家の前に座っていて朝方までじっとこちらを見ていたり、家の中でもどこからか声がしたり音がしたりするのだそうです。
叔母は一人暮らし。最期まで祖父を看ました。
4年経った今でも祖父の匂いや体温を感じることがあると言います。
それは寂しくなったときなどではなく、友達が遊びに来て大笑いしているとき、テレビを見て好きなアーティーストが出演しているのを見て興奮している時、電話で愚痴を言っている時など祖父を感じる時の共通点はなく不思議に感じているようです。
先日も叔母が昼間に掃除機かけているとき、ふと顔を上げると障子越しに人影が半分見えたので、「あ、また祖父だな」と思い気付かないふりをして掃除を続けたところ、半分だった人影が完全に男性ほどの大きさになっていたので「誰かいるのー?とうちゃんー?(叔母からすると父親です)」と声を出したそう。
すると段々と消えていき、障子を開けると誰も、何もなかったと言っていました。
一人暮らしの叔母を心配しているのでしょうか、いつも見守ってくれているんだと思います。
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