何だこれ……妖怪って……。
思わずノートパソコンを乱暴に閉じた。
深く溜息をつき、畳の上に寝っ転がる。
天井を見上げ、今朝の様子を頭に思い浮かべた。
禍々しい姿、予言めいた言葉……そして信じ難い光景。
思わず握りしめた拳を畳に叩き付け、俺はそのまま眠りについた。
それからは変わらぬ日常が続いた。
だが二日目の早朝。
いつもの様に牛舎に向かっていると、急にぐらりと体が傾いた。
貧血?
そう疑い掛けた瞬間、突然、地面が波のように揺れた。
周りを見ると、壁に掛けたカレンダーが弾け落ち、棚が倒れ建物自体がギシギシと激しく軋んでいる。
それらを見てようやく地震だと気が付いた。
何も出来ないままその場にうずくまっていると、ようやく揺れは収まった。
俺は急いでその場を立ち上がり、喚くように泣き出す牛達を他所に、家へと走った。
玄関には数人の人影、近付き確認すると、それはうちの家族だった。
どうやら皆無事のようだ。
母親が俺の顔を見るなり泣きながら抱きついてきた。
「母さん大丈夫か!?み!皆は?」
周りを見渡すと、妹と爺ちゃん、そして婆ちゃんも何とか俺に頷き返してくれた。
「とりあえず車を出して、高台に逃げよう!」
俺はポケットの車の鍵を母さんに渡し、必要最低限のものを持って車に行くように支持した。
だが爺ちゃんは、
「爺ちゃん!?」
爺ちゃんは口をきっと噛み締めたかと思うと、急に牛舎の方へと駆け出した。
俺も急いで後を追う。
「爺ちゃん!何やってんだよ!早く逃げなきゃ!また余震が来るかもしれないだろ!!」
俺は牛舎の中で両手をワナワナと震わせる爺ちゃんの背中に叫んだ。
「うるさい!俺は……俺はここから動かん!」
「なっ……何言ってんだよ……!逃げなきゃ皆……皆死んじゃうんだぞ!?」























むちゃくちゃ怖い。過去一の怖い話かもしれない・・・
件とにた妖怪で「禍(か)」と言うのが居るらしい
こっちは予言ではなく、土砂崩れ等災害が起こる地域で直前に現れるとか
面白かった!
たまに目撃されるって言うけどいつも災害の後に話題になりますよね
書くのうますぎ。読みやすくてすごく怖かったし面白かった
くだんは伝承の中でも真実味が高いと自分は思っています。
くだんって爺ちゃん達恨んでたん?