墓じまい
投稿者:kanze666 (10)
うちの家系は思春期になると徐々に変なモノが見え始め、中2をピークに治まる。
私自身もよく金縛りや幽霊らしきものを見たので、基本は否定していないが「思春期特有の幻覚では?」と思っていた。この経験があるまでは。
長女が中1の時。
家の外の道路に女の人が居ると言い出した。
5年生から色々見た話しを言うのでハイハイと返したが、
「玄関の真ん前に居た」
「お風呂に入っていたらドアの前に居た」
「寝室のドアから除き込んでいた」
と日に日に近づいてくる事にビビりまくっていた。
ある日勇気を出して聞いた。
「どんな感じの人?」
「目鼻立ちくっきりした美人。嫌な感じはしない。寂しそう」
「何歳くらいの人?」
「24歳」
すぐに応えた娘に違和感を感じた。
普通、「25歳くらい」というはずじゃないか?なぜ知っているかのように即答した?
娘は何故かその女幽霊を気に入っていて、怖いと感じないという。
私が怖がるので、娘はその話をしなくなった。
見えていたのか隠していたのかは分からない。
それから1年後、私の父が亡くなった。
先祖代々の墓は嫌だと生前言っていたので、墓じまいの下見に墓地へ行った。
うちの墓の隣には小さな墓がある。
父の姉で、若くして自殺している。
10年前に実家に不幸が続いた時に、母が変な坊主に相談し「穢れ」として墓を分けたのだ。
ふとその墓石を見て愕然とした。
「享年24歳」
まさか、あの女幽霊は伯母さんだったのか?
そういえば、とても綺麗な人と聞いていた。
長女にはこの墓の事は話した事もないのに…。
しかし亡くなってからもう40年以上は経つ。
墓を分けてから夢に出なくなったと母に聞いていたのだが、何故今頃?
父を迎えに来たのか?
良いお話でした!!
自殺者は40年以上も成仏出来ないのが怖い