おそろい
投稿者:りう (54)
短編
2022/03/15
00:06
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私はマンションの14階に住んでいる。
16階建てのワンルームマンションだ。
周りのほとんどの建物はうちのマンションより低く、少しだけ優越感があった。
仕事が休みの日は、ベランダでコーヒーを飲んでまったりしながら、双眼鏡で路上を歩く人や近くのマンションの部屋を見たりしていた。
それを人に見られると、不審者と思われることは自覚していたので、片手サイズで高性能・高価な双眼鏡を買った。
いつものように双眼鏡を覗いていると、太陽に反射する光に気がついた。
道路を挟んだ先の方のアパート5階あたりの部屋だ。
相手も双眼鏡を覗いていた。
右手には、片手サイズの双眼鏡。
左手には紙切れ。こちらに向けている。
「同じの買ったよ」
と書かれていた。
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