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ヒトコワ

りうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

似たもの父子
短編 2022/03/12 21:02 1,764view
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小学生の時、少しやんちゃ系の川口君かいた。時々遊ぶ程度の関係だった。あまり運動神経が良い訳ではなく、勉強も下の方だった。
私は暴力は振るわないまでも、いわゆるガキ大将だった。遊びはほとんど仕切っていた。

ある日、川口君は隣の小学校へ転校した。お父さんが暴力沙汰で逮捕されたとかで一軒家のローンが払えず、隣町の県営住宅へ引っ越したのだ。

中学校に上がると、川口君と再会した。その中学校は、私の小学校と川口君の小学校の2つを管轄しているのだ。

川口君は入学後、数ヶ月もするとヤンキーになった。まったく違和感がなかった。なるべくしてなったという感じだった。ただ、昔のよしみで私には悪さをしてこなかった。

恐らくだが、もし喧嘩をしたら私が勝てると思っていた。
私は柔道部に入っており、小さい時から空手もしていた。
あと恥ずかしながら成績もトップクラスだったのもあり、そこそこ目立つ存在だった。

そういう状況もあってどちらかというと川口君がヤンキーで目立っているとはいえ、私の方が校内では格上だった。

と思っていた。

ある下校時、暗い裏道を一人で歩いていると、
川口君が一人で立っていた。

「おー、どうしたの。こっちは川口君ちじゃないよね?」

すると川口君は

「タイマンしよう。カバンを置け。行くぞ!」

と言って走って向かってきた。片手にはナイフ。
一瞬、驚いたが、持っていたカバンを盾にしてナイフを防ぎながら倒して、その後は羽交い締めにして瞬殺した。

「いい加減にしろよ!もうこんなことすんなよ!」

と吐き捨てて、仕返しされるのを覚悟の上で、頭を踏みつけて帰った。

翌日、また同じ場所で川口君と出くわした。
今度は仲間と5人だった。

皆がナイフを出した瞬間、物陰から出てきた警察官に皆、確保された。

昨日の帰り道、交番に立ち寄って相談していたのだ。
すると、警察としても川口君のグループをマークしていて今日の作戦の運びとなったのだ。
勿論、両親の承諾も得ていた。

彼らは銃刀法違反の現行犯で逮捕され、前科もあったので少年院に旅立った。

川口君、頭を使わないとお父さんをループするだけだよ。

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