肝試し中にかかってきた電話の相手

この話は、友人が旅行先で体験した実話です。
友人は、高校時代の友達3人と地方へ旅行に行きました。
県外の観光名所で、2泊3日で旅館に宿泊をします。

旅館は、和風で築が古い感じで風情がありました。
4人は、2階にある10畳ぐらいの和室に案内されて泊まります。
その日の夜、観光を楽しんだ4人は「怖い話」をする事になります。

1人1人知っている怖い話を言い、盛り上がった感じです。
すると、1人の友人が、

「肝試ししよう。」

と、言い旅館の中で行う事になりました。

時計を見ると、深夜の12時になっています。
肝試し場所は、「トイレ」で電気を付けずに個室へ入り5分間過ごす事です。

2階の突き当りにある男子トイレは、真っ暗で少し不気味な場所です。
1人がトイレに行き、個室へ入ると3人は携帯電話で確認をします。

「おーい。トイレに入ったか？」
「今入った。」

と、5分間過ごすと部屋へ戻って来る約束です。
この肝試しを順番に行い、最後の1人がトイレへ行きました。
個室へ入ると、立ったまま時計を見る最後の1人。

すると電話がかかって来たので電話に出ました。

「もしもし」
「・・・」

電話に出ると、無言で何もしゃべりません。
次の瞬間、

「俺だよ。俺。今トイレの外にいるよ。」

と、電話で言って来ました。
最後の一人は、友人と思ってドアを開けると、そこには誰もいません。
怖くなった最後の一人は、部屋へ戻ると友人3人に聞きます。

「さっき、電話で今トイレにいるとかけて来た？」
「いや、誰もそんな電話かけていないよ。怖がらそうと思ってわざと電話しなかったんだ。」