雪の日の足跡
投稿者:くやり (24)
短編
2022/02/22
11:59
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私の故郷は北陸の外れで、冬ともなれば大量の雪があたり一面に降り積もります。
その年も大雪が降り、祖父母や両親を含む大人たちは雪かきに駆り出されていました。
私はまだ幼い為雪かきは免除されたものの、周囲の大人が構ってくれないので退屈し、裏庭をちょこちょこ歩き回っていました。
すると奇妙なものが目に飛び込んできました。
「あれっ……」
裏庭に裸足の足跡がちょこんと付いているのです。自分が履いた長靴と並べてみるとサイズは同じ位でした。間違いなく子どもの足跡です。
(誰かうちにきたのかな?裸足で出歩いたら霜焼けになっちゃうよ)
子供らしい発想で案じた私はただちに玄関にすっとんでいき、予備の長靴を持ってきました。
わくわくしながらそれを裸足の足跡の横においてみたのですが、何も起こらず拍子抜けします。
そこに雪かきが一段落した父が呼びに来ました。
「何をしてるんだ」
「あっ、父ちゃん!あそこに子どもの足跡が付いてたんだよ」
私が指さして教えた所、父は怪訝そうに足跡と長靴を見比べ眉をひそめます。
「えっ」
父が雪上に放置された長靴をおもむろに掴んでひっくり返すや、その中からドサドサと雪のかたまりが落ちてきました。
「座敷童のいたずらだな」
父は豪快に笑っていました。
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座敷童って雪国にしか居ないのですかね?
一度見てみたいものです。